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ヘスペリジン研究会、生鮮柑橘類や育種・生産者を取り込み広い視野で拡大

ヘスペリジンに関する幅広い学術交流を行う「ヘスペリジン研究会」の第9回研究発表会が12月1日に関係者約150名を集め、都内で開催された。

本研究会は今まで「糖転移ヘスペリジン・ビタミンP研究会」という名称であったが、ヘスペリジンを大きな視点からとらえ、柑橘類の生産に関わる人にも参加してもらえるよう今回から改名。それを反映し、今回の第1部では柑橘類の生産と改良のための取組みに関するミニシンポジウムを開催した。

第1部のミニシンポジウムでは、各みかん産地におけるみかんの高付加価値化に向けた取組みを紹介。
1 和歌山県における柑橘の新品種の育成、特に機能性成分に着目した育種
交雑育種の取組み紹介と、和歌山県特産の「じゃばら」に他の品種を交配し、機能性成分を含んだ品種を開発する取組み
2 長崎県のミカンと茶を応用した新たな素材開発に関する取り組み
お茶だけでなく摘果みかんに応用し、茶生葉と摘果みかんを混合揉捻した「ミカン混合発酵茶」を開発
3 山口県の名物料理「みかん鍋」
山口県内のみかん生産の9割を占める周防大島町が、みかんの普及のために開発した「みかん鍋」と、皮ごと食べる鍋用みかんについて紹介

第2部は従来からの研究発表会。
徳島大学大学院の酒井徹氏は、徳島県特産の柑橘であるスダチの果皮成分の機能性を紹介。スダチ果皮は現在ほとんどが廃棄されているが、果皮にはスダチチンやヘスペリジンなどのポリフェノールが含まれており、メタボ予防に効果的であるという研究を紹介。肥満抑制や糖代謝改善、血糖値改善などのデータを示した。

また、長崎県立大学大学院の田中一成氏は、第1部で紹介のあった摘果みかんと緑茶三番茶葉による混合揉捻法を活用したヘスペリジン可溶化技術の開発について講演。混合揉捻法による発酵茶には、みかん由来のヘスペリジン、茶葉由来のカテキン類および発酵過程で産生する紅茶ポリフェノール類が含まれており、本発酵茶中のヘスペリジンはヘスペリジン単体よりも10倍の溶解性を有することを確認。さらに体脂肪低減効果や中性脂肪低減、血圧改善など確認された機能性について発表した。

以上のほか、ヘスペレチンによる白内障予防効果に関する検討(慶應義塾大学薬学部 中澤洋介氏)、くすみ・くまに対するアルファグルコシルヘスペリジン配合ローションの塗布効果(林原 鈴木基之氏)について講演された。

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