・受託製造企業の動向
姉妹紙の健康産業新聞が2010年11月に行った健康食品受託加工・製造企業アンケート(有効回答73社)によると、調査時点での増収企業が6割を上回り、経営状況判断も前年に比べて「非常に良かった」、あるいは「良かった」とする企業が半数を上回るなど、業界の回復振りを示す結果となった。
受託製造企業の業績回復を反映し、設備投資も好調に推移。2010年は、「製造設備の増強」や「品質・衛生面の補強」を中心とした設備投資が行われた。2011年も「新工場建設」を予定する企業は少なくなく、「製造設備の補強」や「品質・衛生面の補強」などに取組むとする企業が多い。一方、健康食品市場に対する景況判断からは、経営状況判断と異なるニュアンスがうかがえる。2010年の健康食品市場はボリュームを取り戻しつつあるものの、先行きに対する不安や見通しの悪さもあって楽観できないというのが実情のようだ。
・健康食品市場の動向
・主要素材動向
・機能別素材動向
・2011年の注目の機能性と素材
食品用の主用酵素の需要は、ここ数年大きな動きがなかったが、世界的に穀物原料や乳原料の供給が不安定な状況の中で、国産原材料の有効利用や製品の歩留まり向上・品質改良技術として見直しが進み、GMO酵素も原料問題を機に動きが出てきた。
緑茶の機能性の高さは、日本国内はもとより世界的に注目を集めている。抗酸化作用や虫歯予防、抗菌、消臭、抗肥満、血中コレステロール上昇抑制などの作用が研究され、緑茶ポリフェノールを利用した製品上市も相次いでいる。特にウイルスへの関心が高まっている昨今は、食品だけでなく手指や住空間など環境抗菌素材としても利用が進んでいる。加工食品向けには退色しにくい抹茶や緑茶ペーストなどの出現でさらに拡がる可能性も出てきている。
これまでスポーツフードといえば、アスリートを対象とした筋肉増強のための商品が多かったが、近年の筋肉疲労の研究やエネルギー代謝の研究で、抗疲労をコンセプトにした商品や効率的体脂肪燃焼をコンセプトに理想的体型をつくるという美容にも通じる商品開発が活発になっている。
大豆の栄養価の高さは古くから知られているが、06年に発売された「SOYJOY」(大塚製薬)の好調さに象徴されるように、昨今改めて大豆の良さが見直されてきている。農林水産省の「豆乳等生産量等調査」によると、豆乳の生産量は、調査開始後過去最高を記録した05年以降、下降トレンドであったが09年より回復してきており、10年は05年の生産量217,042kLを凌ぐ勢いで推移している。
2010年4月21日から「食用塩の表示に関する公正競争規約」が完全施行となり、表示の基準が設定されたことで、最近は味もさることながら特定の“産地”で差別化を図る動きがあり、塩をアクセントに用いたスイーツやスナック菓子などへ利用されるなど用途の広がりを見せている。
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」では、食物繊維の1日の摂取目標量が成人男性で19g、成人女性で17gとされているが、毎年行われている国民健康・栄養調査の今までの結果を見てみると、食物繊維の摂取量は相変わらず5~7gが不足している状況だ。
食物繊維摂取の意義は、腸内環境を整えて便秘改善や肥満予防に寄与するだけでなく、免疫の強化という点からも注目される。また、食品加工においては、水産練り製品や冷凍食品、菓子などの幅広い分野の物性改良用途や低カロリー化で機能を発揮しており、さらなる応用に期待がかかる。
最近は健康志向の高い人やメタボを気にする人だけでなく、摂取カロリーは抑えたいが美味しいものを食べたい・飲みたいという多くの消費者ニーズを反映して、ゼロ系製品市場がさらなる飛躍を続けている。炭酸飲料やコーヒーなど清涼飲料を中心に、様々な食品でカロリーゼロやカロリーオフ、糖質・糖類ゼロなどが訴求されている。それらに利用されるのが高甘味度甘味料やエリスリトールで、その動きは概ね好調だ。
錠剤・カプセルなどの形状が早くから食品の形状として認められていた米国では、食生活の中に錠剤・カプセルが根付いているが、わが国では永年、薬事法の監視のもと医薬品的な形状は食品としては認められておらず、規制も厳しかった。