タカラバイオ(株) バイオ研究所 大野木 宏
<シリーズ3>
弘前エリア産学官連携促進事業 事業統括 加藤 陽治
食品の乾燥技術に対する関心がここにきて高まっている。乾燥技術は古くから利用され、すでに浸透している基本的な食品加工技術だが、その技術・装置の選択が加工製品の品質決定に大きく関わるだけでなく、資源の有効利用や省エネルギーなど環境面からも再検討が進んできたからだ。
世界的な食物原料の高騰や輸入農産物の安全性問題を機に、にわかに国産農産物の利用の機運が高まってきているが、課題は多い。こうした中、国産農産物の市場を拡大する有力な取組みとして浮上してきたのが乾燥技術を利用した未利用農産物の付加価値製品化だ。
食品中の水分含量は品質を決定付ける重要因子として、原料から製造工程・最終製品に至る様々なラインでその測定が行われている。さらに米穀類や牛乳など特定業種に至っては製品規格となっており、水分値は品質管理上だけではなく、重量取引上においてもいわゆる“水増しトラブル”などを防止するための重要なファクターとなっている。
産地偽装表示や消費期限虚偽表示が社会的問題となる中、食品表示のミスは今や企業の存続をも脅かしかねない問題に発展する可能性を秘めている。従来は、原料メーカーから加工メーカーへの納品の際に履歴が途絶えたり生産の切り替えが現場に伝わってなかったりが原因で表示ミスが生じる場面が多々あったが、それらをカバーする仕組みや様々なサポートツールが紹介されている昨今、知らなかったでは済まされないことを認識する必要がありそうだ。
最近は、健康志向の高い人やメタボを気にして摂取カロリーを控えたい人を中心に低カロリー・低甘味志向が進み、「ゼロ系製品」というジャンルが飲料を中心にブームとなっている。カロリーゼロ、糖質・糖類ゼロなどを訴求する製品は、炭酸飲料や缶コーヒーに留まらず、ハム・ソーセージ、鍋物用だし、さらには糖類ゼロの厚焼玉子まで登場した。
天然調味料市場は、原油価格高騰による一連の製造コストの上昇に加え、昨秋以降の景気の低迷から外食産業・加工食品市場が縮小傾向にあり、市場の中核をなす畜肉・水産エキス市場は苦戦を強いられている。酵母エキス市場については、一時のような急成長は見られないものの、ここ数年堅調に推移しているが、市場の底上げにまでは至らないようである。
健康素材の代表格ともいえる蜂産品の中でも「ローヤルゼりー」については、アンチエイジング・美容訴求の素材として安定した市場を築いており、その知名度を背景に高付加価値品から一般食品まで、製品形態の多様化が進んでいる。
一方「プロポリス」は、抗菌性・免疫活性訴求で市場が形成されているが、ここ数年の抗腫瘍訴求品の規制強化を受け、市場の低迷が続いていた。その状況が今春からインフルエンザ対策商品の流れの中で一変し、需要が活発化している。
本稿では、「プロポリス」「ローヤルゼりー」を中心に蜂産品の最新市場動向・開発動向をまとめ、今後の展望を探る。
規格外農産物の有効利用に取り組む
20年前から提唱する未利用資源の減圧乾燥法による食材化技術が、昨今の国産志向や環境問題から引っ張りだこに!
国内だけでなく海外からも注目され、記者が訪ねた日は米国リンゴ生産団体からの訪問客があるとのことだった。