食品工場で機械・設備に使用されている潤滑油が「食の安心・安全」の確保の観点から重要なファクターであることが食品メーカーならびに食品機械メーカーの間で徐々に浸透し始めている。とくにここ数年ユーザーの認識が急速に高まり、正しい理解に基づいて使用するケースが増加すると同時に、食品工場内でのいわゆるH1グレードの使用エリアが食品に接触する可能性のある箇所からその周辺まで拡がっている。
磐田化学工業㈱ 開発部 関口 喜則
㈱J-オイルミルズ 加茂 修一
わが国の食料自給率は約40%と低く、多くの食品を海外からの輸入に依存している。現在では輸入される畜肉・水産製品は飼育から流通までシステム化されており、その多くが鮮度と品質を保つため解体後に冷凍されているが、解凍後の食味・食感を維持するために冷凍技術の進歩は目覚しく、適切に解凍することさえできれば、高品質な状態で使用できるようになってきている。
食品製造施設では、生産品目の増加等に伴う増築や改修により、清浄度区分が不明確になっていたり、作業動線が明確でなく交差汚染が起こっていることが、従来しばしばみられたようだ。ここ数年の衛生管理体制の見直しで、ゾーニングによる清浄度区分の構築も進み、交差汚染への対策もとられてきているが、清浄空間の維持には日常的な監視と改善が必要だ。
加工食品市場の伸びとともに伸長してきた乳化剤市場であるが、国内の食品市場はすでに飽和状態にある。ただ、加工食品ではさらなる高度な技術が求められる傾向にあり、特に乳化剤においては他の添加剤よりもアプリケーション開発の必要性が高いと思われる。国内だけでなくアジアを視野に入れている企業も増えている。
ω-3はここ数年米国の機能性食品市場の伸び率№1の座を占める。それに対し、わが国ではメタボリック対策や脳機能改善効果などの機能性で注目されるものの、大きな変化はなく、ここ数年市場は横ばいで推移している。
たん白素材は古くから食品の物性改良、結着、気泡などを目的に利用され安定した需要を持つ。現在は、その栄養機能に着目してスポーツニュートリション、高齢者分野での利用が定着している。ここ数年は、飲料やバー向けのアプリケーション開発が活発化しており、一般食品分での利用も多い。たん白原料の代表的なものとしては乳由来と大豆由来があり、原料価格については、需給バランスに影響されるが、ここ1~2年、景気の低迷から需要が落ち込み比較的安定している。
食の安心・安全ニーズが高まる中、食品製造加工現場における衛生管理の重要性が改めて指摘されている。製造加工・包装・物流ラインの中にあって食品を搬送するベルト・コンベヤにおいても、その洗浄適性や抗菌・抗カビ素材の選択、あるいは異物混入防止等の対策を施した製品が数多く登場し、採用が進展。また、HACCPをはじめ、食品衛生の3大基準(厚生省告示第370号、FDA、欧州指令)やEHEDGへの対応を含めた国際規格準拠製品も増加。一方、安全・衛生面に止まらず、生産性向上に寄与する様々な機能が付与された新製品も増えている。
食の安心・安全を担保するための様々な取組みが、食品業界で続いている。大手量販店も食品業界に対し、対策強化の要請を強めている。食品業界も事態によっては深刻なダメージを受けるため、属人性を可能な限り排除し、システム面からの対策を重視。原材料調達先から食品製造・出荷、あるいは物流に至るまでのデータを可視化し、管理を強化するFoodITソリューションに着目し、導入する動きが拡がりつつある。