
食品の殺菌は加熱殺菌が浸透しているが、近年は食品品質に対する要求の高まりを背景に、加熱殺菌技術も格段の進歩を見せている。熱による食品の変質を最小限に抑えるため、殺菌時間を短縮したものなどはその一例。一方では、熱をかけられない生鮮食品や液体食品、さらには製造施設や製造用水などにおいて、オゾンや紫外線をはじめとした非加熱殺菌装置の利用も拡がっている。また、高齢化社会の到来に伴い、高齢者や要介護者に向けた固液混合食品や流動食の開発が進展しており、これら食品の生産に使われる殺菌技術の新規需要に期待する向きもある。
日本人は臭いや味に敏感な民族といわれ、口臭、体臭、便臭、加齢臭など人が発する悪臭を除去する消臭素材の開発や、食品中の嫌味となる雑味・苦味・エグ味などを低減させる味質改善・マスキング素材の開発は他国と比べても発達している。
クエン酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸は、清涼飲料水をはじめ加工食品の酸味付けや味の調整、pH調整などを目的に幅広く用いられている。ここ数年は、食品分野での需要量に大きな変化はなく横ばいで、価格も一昨年には原油価格の高騰や原料穀物相場の上昇などで値上げが行われたが、現在はほぼ高止まりで推移している。
米国では、ここ数年“スーパーフルーツ”が大きな人気を博している。“スーパーフルーツ”の急成長の背景には、「Antioxidant」に表される健康志向がある。日本では「抗酸化」表示が薬事法の解釈でグレーゾーンになっているため、抗酸化機能の啓蒙・普及も米国に比べ遅れているが、米国のスーパーフルーツブームを後押しした抗酸化指標「ORAC」の測定法の開発も進んでおり、今後、抗酸化食品の動きが活発化すると思われる。
体の冷えは万病の元といわれ、肩こり、腰痛、不眠、肌荒れなど身体の不調をきたす原因となる。冷え症となる原因は様々あるが、最近は女性の2人に1人は身体の冷えを感じているというデータもあり冷え症は深刻な問題といえる。
食品工場の機械・設備向けに特化した潤滑剤は、「食の安心・安全」の確保の観点から食品・飲料メーカーはもとより、食品機械や包装機械などのメーカー関係者にも浸透し、着実に需要を拡大している。特に近年は、同潤滑剤に対する認識が急速に深まったことを背景に、正しい理解に基づいた使用が拡がり、その使用領域も食品に直接触れる可能性のあるエリアに止まらず周辺にまで及ぶようになってきている。
食品工場の洗浄・除菌は衛生管理の基本だが、食品の安心・安全が厳しく問われる昨今、以前にも増してその重要性が強く認識されるようになっている。近年は、洗浄・除菌剤のやみくもな多用を避け、安全性や環境負荷、経済性を加味し、少量で洗浄・除菌効果を確実に上げられるサニタイザーが求められるなど、実質を追求するニーズが浮上。一方でウイルス対策もクローズアップされ、ウイルスに効果のある製剤の需要も高まってきている。
