健康メディア.com 健康産業新聞

1975年より日本の健康産業と共に歩む「健康産業新聞」と、1918年から世界を舞台に活躍する英国メディアグループ「UBM」(ロンドン株式市場上場)がチームとなった業界専門紙。

HOME » ヘッドラインニュース » 業界も協力し消費者教育を 河上 正二 消費者委員会 委員長に聞く

業界も協力し消費者教育を 河上 正二 消費者委員会 委員長に聞く

1616_10.jpg

 各種の消費者問題を調査・審議し、独立した第三者機関として消費者行政全般に対し意見表明を行っている消費者委員会。昨年4月には健康食品の表示適正化に向けた建議をまとめ、問題のある食品を淘汰する環境整備の必要性等を盛り込んだ。さらに今年1月には、建議への対応が不十分であるとして、実効性ある対応の実施に向けた意見を表明。健康食品に対し厳しい目を向けている。同委員会の考える“環境整備”は6割の利用者に目を向けたものなのか、または健食を封じ込めようとする規制強化なのか。河上正二委員長に健康食品に対する考えを聞いた。

■機能性表示は条件付きGOサイン

―― 委員会で健康食品を取り上げる機会が多いように感じるが

河上 消費者が食品に対して求めていることは単純なことで、「安全であること」。そして自分が必要としている食品を適切に選択するための「適切な表示」がある。この 2 つが基本で、それを守るのにはどうするのかというのが大原則になる。委員長を拝命して 3 期目になるが、この間も食品の安全と表示の適正化は常に頭の中にあった。しかも私が委員長になってから 2 つの立法的な大きな動きがあった。一つは食品表示の一元化で、もう一つは機能性表示食品制度。新制度は規制改革の波の中ででてきたもので、最初はハードルを下げてでも特保制度をうまく使えばいいのではと思った。ただ閣議決定であったし、一定の条件をつけて、それがうまく動くようにということで、諮問に対する答申としては異例の9条件を付けた。あの時、消費者委員会の中では、絶対にこれはやめた方がいいという人も何人かいたが、無視されるよりは条件を付けたほうがいいということを考えて、条件付きで G O サインを出した。

―― 消費者委員会としては、機能性表示食品を除く健康食品は悪の権化であるような認識を持っているのか

河上 そのような認識は持っていない。しかし、健康を標榜して機能も何もない、そういうものを高く売りつけているのも一部にある。健康食品と称した悪質な勧誘方法があったのは確かだ。

―― 健康食品トラブルの96%は販売上の経済問題。品質上の問題は4%で、その大半は中国から輸入したもの。まじめにやっている健康食品を放逐するというのは健全な経済活動という点でも問題があるのでは。建議を見ると威圧的に感じる

河上 放逐されるべきは、健康食品と称して、実は不当な表示で消費者を誤認させたり、不当勧誘の商財となっているもの。もっとも、健康食品の中でも特にカプセル状など濃縮されたものになると、過ぎたるは及ばざるがごとしで体に対して不調をもたらしたり、医薬品との競合の問題があったりする。いくつか問題が出てくる可能性がある。

■「4割が不満足」は問題

―― 消費者委員会の調査だけでなく、東京都のアンケートでも利用者の6割が満足し7割が効果を認めている。それを消費者の声として認めるべきでは

河上 消費者委員会の調査結果で、全体の 6 割が健康食品を利用しており、利用者の 6 割が健食におおむね満足しているという結果があった。全体の36%はおおむね満足している。6 割は価格が高くなっても機能性を表示してほしいとの回答だった。ただ満足しているというのはプラセボ効果もある。むしろ使用経験のある人のうち、満足していない人が4割いることが大事で、効果はなかったという話になっている。それを考えると、当委員会や東京都の調査で 6 割の人がほぼ満足しているからと言って、問題がなくなっているという理解はできない。

―― 6割の使用率は、目の敵にするよりは、生活に必要なものであるという消費者の認識があるのでは

河上 夜にテレビCMを見ていたら、足が痛そうなおばあさんが何か飲んだとたんにすいすいと犬を散歩させている。年を取ってこういう成分がこんなに減っており、食べ物で補うとすると魚は何匹も食べないとだめというように不安を駆り立てるのは問題だ。消費者の必要性の認識は、いたずらに不安感を煽られた結果であるかもしれない。

―― 自動車のCMなど、広告はそもそも誇大な側面がある。東京都の調査でも、行政があまりごちゃごちゃ言わないでという声もある。1 月の意見では、健康食・・・

2017/03/28
Copyright UBM Media Co.LTD., All rights reserved 2010 logo