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【特集】アクティブシニアサポート 前期高齢者は若返るも後期高齢者の増加深刻

注目の骨・筋肉商材

わが国は総人口の4人に1人以上が高齢者という超高齢社会に突入。そのうち約半数の高齢者が自身の健康について何らかの自覚症状を訴えていることが、内閣府の調査で明らかになった。日常生活に制限のない期間(健康寿命)は延びる傾向にあるものの平均寿命の延びと比べ小さい。こうした問題を受け、国としても「国民の健康寿命の延伸」をテーマに掲げ、予防医療と健康長寿が経済成長につながる社会の仕組みづくりに向け舵を切った。1990年代と比べ、前期高齢者の運動能力は10歳前後の“若返り”をみせているが、一方で主に後期高齢者で要介護者・要支援者と認定された人は10年前と比べ5割以上増加している。アクティブシニアの関心は健康な心身で老後の生活を謳歌することにあり、ロコモやサルコペニア対策のサプリメントがニーズをくみ取って市場を拡大している。


超高齢社会でのアクティブ
シニアサポートとは

高齢化の進展として75歳以上の後期高齢者の増加が目立っている点があげられる。すでに後期高齢者は総人口の13%に達しており、前期高齢者とほぼ同程度の水準に達している。

65歳以上で要介護者・要支援者と認定された人は2013年段階で569万人におよび、10年前と比べ200万人近く増加。75歳以上で要介護・要支援の認定を受けた人は 3 割以上となっており、このままのペースでは割合が高まる一方だ。こうした傾向が続くことで社会保険制度の崩壊が進み、莫大な負担が勤労者世帯にのしかかる。現在 1 対 1 という前期高齢者と後期高齢者の比率が、55年には前期高齢者が1,260万人、後期高齢者が2,390万人の 1対 2 になることが予測されているからだ。

わが国の高齢者は体力が著しく向上しているものの、その多くが前期高齢者であることから、75歳以上の後期高齢者の要介護状態を防ぐことが課題となっている。アクティブシニアサポート関連の商品は高齢者を対象としたものでなく、より健やかな老後を楽しむことを目的に50代からの利用が望ましいと言われるのも・・・

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商品開発は急ピッチも
消費者の理解に課題

アクティブシニアサポートを目的とした食品開発は現在、急ピッチで進んでいる。骨、筋肉、関節の健康維持増進を訴求した機能性表示食品としての受理も増えている。この分野は計り知れないほどの潜在需要があり、100兆円を突破したとも言われるシニア世代の消費動向から考えても関連するサプリメントや健康志向食品は一層の拡大のチャンスを迎えていることに間違いはない。

一方で業界関係者からは「消費者はロコモやサルコペニア、フレイル・・・

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エイジングケアニーズ
拡大で市場活性化へ

ロコモティブシンドロームやサルコペニア、フレイルを予防する食品素材として、骨の健康維持にはカルシウム、マグネシウムをはじめとしたミネラル類のほか、ビタミン D 3 、ビタミンK、コラーゲンペプチドなどが有用であるこ・・・

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原料動向:Ca・Mgに再評価 伸長するBCAAとHMB

スポーツサプリメント素材として市場に定着したアミノ酸は、味の素が製造販売する機能性表示食品『アミノエール』のヒットなどもあり、アクティブシニアサポートサプリメント素材としても大きな注目を集めている。味の素ヘルシーサプライでは、ロコモティブシンドローム・サルコペニア対策を目的にロイシンを高配合した必須アミノ酸ミックスを取り入れたアミノ酸インサイド戦略を進める。このロイシン高配合必須アミノ酸ミックスは、加齢による筋肉減少を抑制するエビデンスを持ち、機能性表示食品で採用されるなど、注目の原料。同社では、食品・飲料メーカー等への提案を強化し、苦味や溶解性の改善、マスキングといったソリューション提案も同時に実施。豆乳、スムージー、FD雑炊、スープ、ふりかけ、だしパックなど健康志向の一般加工食品向けにもすそ野を拡大したい考えだ。

スポーツサプリメントのみならずアクティブシニアサポート関連サプリメントの分野まで急拡大を続けるHMB市場も今後の動向が注目されている。バイオメディカルウェルネスでは、筋肉・筋力サポート素材『HMB』の原料・バルク供給を展開。厳格な基準に則り外部テストおよび内部検査で不純物を排除するなど品質チェック(GMPの品質管理に基づく)を徹底して実施する。各種の安全性も確認済みで、最終加工は国内提携工場で行っている。市場競争力のある価格で提供できる点に加え、溶解性に優れていることも特長だ。エビデンスも積み重ねており、採用することで他社製品との差別化もアピール可能だとしている。

骨粗しょう症予防に対する各社の取り組みも顕著になっている。アールビーエスでは、臨床試験で「骨密度・骨質の改善効果」が実証されているコラーゲン含有ミネラル複合体『プロテタイト®』の原料・OEM供給をより一層加速。ロコモ・骨粗しょう症対策・骨サポートのオリジナル素材としての展開に引き続き注力中だ。加えて、「骨密度と美容」「骨密度と歯の喪失」の相関性を踏まえ、“骨密度・骨質の双方に改善効果”を持つ『プロテタイト®』の新たな用途・顧客開拓を進める。同社では「アンチエイジングは“骨の健康”からと言える。サプリメントはもとより、一般食品カテゴリーに向けて、骨密度・骨質の双方に作用する『プロテタイト』の配合提案に本腰を入れていく」としている。今後は、一般食品グレードの『プロテタイト®』の原料開発も進めていく計画だ。

「骨づくりといえばカルシウム」というようにカルシウムの消費者認知度は高い。老舗ミネラルメーカーのエヌ・シー・コーポレーションでは、国内製造品である魚骨焼 成 カ ル シ ウ ム 『 フ ィ ッ シ ュ カ ル 』(Ca37%以上)の増販に加え、未焼成カルシウムの『ホタテ末』『ホタテ末S』(500メッシュ/700メッシュ、Ca含量38%以上)などが安定して推移。ほかに食品素材としては健康食品・サプリメントで数多くの実績がある『ドロマイト』(Ca含量21%以上、Mg含量12%以上)や、『卵殻カルシウム』(Ca含量37%以上)、練り物や畜肉関係で多く使用されるほかゼリーなどにも対応可能な『貝殻焼成カルシウム』(Ca含量65%以上)などを提案し、各方面のユーザーから好評を博している。

J – オイルミルズは、骨質を高める機能性素材として納豆菌由来のビタミ・・・

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