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【健産online】「活動格差」が肥満率に影響 スマホで世界のデータ収集

米スタンフォード大学の研究チームが、スマートフォンから収集したビッグデータを解析し、身体活動量が多い人と少ない人の「活動格差」が大きい国ほど、肥満率が高くなることが明らかになった。調査は20日、科学誌「Nature」に掲載された。


調査は、スマートフォンの自動歩数計アプリケーション「Arugus」の利用者からデータを取集。世界111カ国・地域、約70万人の年齢、身長、体重、6800万日分の歩数記録を分析した。人の活動量を調べた同様の調査では、過去最大規模となった。多くのスマートフォンは、加速度センサーを内蔵しており、このアプリケーションもセンサーが動きを感知して、スマートフォンを持ち歩いた歩数、距離、時間などを自動で記録する。

調査チームは、身体活動量が多い人々と、そうでない人々の運動量などの差を「活動格差」と表現。所得格差を測るジニ係数を用いて、1000人以上のアプリケーション利用者がいる46カ国・地域を中心に「活動格差」を算出し、格差が大きいほど肥満率が高いことを明らかにした。格差が最も小さかったのは香港で、格差が最大だったのはサウジアラビアだった。日本は6番目に格差が小さかった。また、調査によると世界の1日平均歩数は4961歩で、日本は平均を上回る6010歩だった。

男女の活動量の違いが、活動格差に影響することも判明。肥満度も活動格差も低い日本は、男女の活動量はほぼ同じであったが、サウジアラビアやアメリカなど活動格差の大きい国では、女性の活動量が少なかった。さらに、歩行者が歩きやすい街に住む人の方が、自動車がないと移動しにくい場所に住む人よりもよく歩くことも分かった。調査チームは「調査結果は、世界の公衆衛生政策や都市設計に意味がある」としている。

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