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本当に欲しいモノを買いたい時に、買いたい方法で

美と健康の仕掛け人に聞く
(株)アイスタイル 取締役兼CCO @cosme主宰 山田メユミ氏

 
 日本最大級の化粧品クチコミサイト「@cosme(アットコスメ)」は、設立から13 年で、970 万件を超えるクチコミが集まった。運営する㈱アイスタイルは、3 月に東証マザーズに上場。4月には「@cosmestore」を池袋ルミネにオープンするなど店舗展開にも積極的だ。昨年にはブログポータル「@ BEAUTIST(アットビューティスト)」を開始。ユーザーニーズの変化に対応した、新しいサービスを提供している。


化粧品市場全体の傾向は?
 
 景気が低迷気味のなかで、消費者にとって買う理由が明確でないと売れづらいと感じています。
 
 日常的に使う化粧品は低価格でありながら高品質のものが選ばれています。市場全体をみると、金額ベースでは落ちていますが、個数ベースでは落ちていない。これは、クチコミの傾向にも反映されています。一方で、オーガニックコスメ、スカルプケア、スペシャルケアのアイテムは、高価格帯でも売れています。消費者は、決して買い控えているのではなく、賢く使い分け、選び分けていると見ています。
 
 機能的には、以前に比べ、シミ、シワだけをピンポイントでケアするより、総合的な美肌を目指したいという需要が高まっており、化粧品に求められる要素は複合的になってきています。
 
 インターネットの普及によって、チャネルやメーカーの都合で売る時代から、消費者が選ぶ時代がやっと到来したと感じています。化粧品はいままで、チャネル・流通など色々な制約に縛られていましたが、その垣根が取り払われてきているのでしょう。
 百貨店でしか買えなかったコスメが、駅ビルで、または通販で買える。これは、消費者が望む以上しかたがない変化だと思います。小売店にしても、メーカーにしても、この変化に対応し、自らも変わらなければいけません。さらにスピード感も求められます。
消費者の変化は?
 
 現代は、商品、サービス、情報が身の回りにあふれ、気になるものがありすぎて選びきれない。このような中で、何が欲しいではなく、どうなりたいかを重視する傾向があります。
 
 例えば、保湿したいと思った時に、クリームを買うのではなく、サプリや美容ドリンクを飲む、スポーツするという選択肢もある。“美容”という捉え方が幅広くなっています。これからは、いろいろな商品やサービスが、美というキーワードのもとに融合、複合化していくと感じています。
 
 商品やサービスを提供する側が、私たちは化粧品業界、あちらはサプリ業界と区別しても、消費者にはあまり関係がありません。彼らが関心があるのは、“私がキレイになるため”に何を提供してくれるのかということだと思います。
 
 昨年、アットビューティストというブログポータルを開始しました。@cosmeは化粧品のレビュー情報ですが、もっと広い領域の、食やファッションなど女性がキレイになることの情報のつながりが生まれていくことを目指しています。
以下、詳細は紙面でご覧下さい。
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株式会社アイスタイル
@cosme 主宰 山田 メユミ氏
大学卒業後、化粧品原料メーカーの研究開発部門を経て、化粧品メーカー商品開発部でプランナーとして商品開発を手掛ける。在職中、趣味で始めたメルマガの反響をもとにコスメ情報専門サイト「@cosme」を立ち上げる。メーカー退社後、(株)アイスタイルに正式参画、取締役兼CCO @cosme主宰として現在に至る。(2012年5月15日現在)

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