話題の人

女子の消費“モノからコトへ”

美と健康の仕掛け人に聞く
スターツ出版株式会社 オズモール ビューティ事業推進部 部長 倉持 志信氏

ヘアサロン、リラクゼーション、ホテルスパなどのビューティサービスをはじめホテル、レストランなどの情報と予約サービスを提供する「OZmall(オズモール)」。首都圏OL を中心に約170 万人の会員を抱える同サイトビューティ事業推進部の倉持氏に話を聞いた。


オズモールの特徴は?
 オズモールは首都圏の女性情報誌「オズマガジン」のweb 版として誕生し、今年で17 年目になります。最初は雑誌のインターネット版という位置づけでしたが、9 年前からヘアサロンの予約サービスを始め、現在のスタイルの原型ができました。web 上で予約ができること自体が珍しい時代です。6 サロンの情報からスタートし、現在は300 サロン以上掲載されるまでになりました。その後、リラクゼーション、ネイル、ホテルスパといった他のビューティサービスも取り揃えました。
 現在、会員数は170 万人で、ボリュームゾーンは20 代後半から30 代前半の女性です。その内のほとんどが有職者で、比較的金銭的に余裕がある首都圏在住の方です。月に自由に使えるお金が約8 万円というアンケート結果が出ています。昨年は、サイトを通じて様々なサービスへ約150 万人を送客しました。
 オズモールの特徴の一つは、「均一価格」制です。例えばヘアサロンは、全ての掲載サロンが8,800 円でカットとブロー、ヘアエステが付きます。リラクゼーションは5,800 円、ネイルは8,800円、ホテルスパは14,800 円で統一しました。
 また、掲載に関しては、編集部独自の“厳選”基準を設けています。掲載前には必ず店舗に訪問し、一定のサービスの水準を担保できるか確認させていただいています。サイト利用者と年代が近い女性編集部員が、店を選んでいることも支持されている要因でしょう。
女性のニーズの変化は?
 まず、「モノよりもコトへの消費意欲」が高まっていると強く感じます。いまや、“女子会”というキーワードが定着しましたが、そこでは、ファッション、美容、恋愛など女性同士ならではの情報交換が行われています。特に同性からの評価が気になるようで、合コンよりも女子会の服装の方に気を使うという声を聞きます。彼女たちは、以前のようにブランド物を持つことよりも、誰よりも最初に体験したいという欲求が強く、また、それを友達に教えることに価値を見出しているようです。
 また、「結果」に貪欲という点でしょう。以前はリラクゼーションサロンというと、素敵な空間で癒されたいという方が多かったようですが、最近では骨格の矯正といった具体的な悩みの解決を求めています。そのような方には、何かの施術に特化した専門サロンが魅力的に映るようです。トータルビューティのサロンであっても、得意分野を明確にすることは、消費者に対して必要なメッセージなのかもしれません。 一般の方がコストパフォーマンスという言葉を使う時代になりました。払ったお金以上のサービスが提供されれば、お得と感じ、良い口コミに現れてくるのだと思います。 
今後の展開は?
 取り扱うビューティサービスを、さらに充実させていきます。癒されるや、キレイになれるだけではない悩みを解決する分野も視野に入れています。
 利用者層の拡大は常に考えています。少し前に男性向けのコンテンツを展開しました。このことでわかったのは、男性は結局、お店を選ぶときに女性の志向を気にしているのです。実際に記念日などで高級レストランを予約した約半数が男性というデータもあります。
 また、40 代以上の方へのアプローチも試みました。しかし、女性は自分が年配者だと括られることは好みません。訴求は特に変えず、シニア層も行きたくなるプランを拡充することで、年齢が少し上の層も取り込めると考えています。
 他には、消費につながる感動体験の場としてイベントを積極的に展開していきます。コトへの消費意欲が旺盛な女性が増えている今は、ビューティサービスにとって追い風です。一度体験してもらってその良さが伝われば、まだまだ市場は広がっていくと考えています。
倉持 志信氏 オズモール ビューティ事業推進部 部長
 編集プロダクションで雑誌や書籍の編集を経て、2000年スターツ出版入社。『OZ mall』の編集に携わったのち06年5月、『OZマガジン」編集長に就任。2013年4月より現職。

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