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ブランドミックス売場で顧客増へ

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阪急阪神百貨店の新業態、品川駅にOPEN

阪急フルーツギャザリング エキュート品川店

 今年2月、JR品川駅のエキナカ施設「エキュート品川」の2階に、「阪急フルーツギャザリング」がオープンした。同店は、阪急阪神百貨店が展開する化粧品と雑貨のセレクトショップ。今後5年間で20〜30店舗出店を予定している。


潜在需要多い品川エキナカに出店
 エキュート品川は開業8年目になるエキナカ商業施設。1階は主にスウィーツやベーカリー惣菜ショップ、2階には雑貨やカフェ・レストランショップを展開する。天井はガラス張りで日中は中央の吹き抜けから明るい日差しが振り注ぐ。
 「阪急フルーツギャザリング」は、エスカレータを昇った左手に位置し面積は約200平米。美容雑貨ショップやリラクゼーションショップなどがあったゾーンにオープンした。
 店舗構成は、百貨店コスメブランドを集積した「ラグジュアリーコスメ」、国内外の人気のボディケアをセレクトした「バス&ボディコスメ」、コスメに合わせて使用したい「ビューティ雑貨」。イスに座って自由にコスメを試せる「テスターカウンター」を備えた「ビューティスタジオ」、コスメをギフト用としてセットにした「プリセットコーナー」を構える。
 運営はエフ・ジー・ジェイ(株)。取締役執行役員の芥川明子氏は「品川駅は乗降客数が多いが、周辺に百貨店がなく化粧品店も少ない。潜在的な化粧品需要は多い」と期待を寄せる。
 百貨店コスメをセミセルフで販売する業態では昨年、三越伊勢丹ホールディングスの「イセタンミラー」が駅ビルに、住商ドラッグストアーズの「インクローバー」が駅近の商業施設で先行して開業。いずれもブランドごとのブースは設けず、専属の美容部員も配置しない。全ブランドの知識を持った自社スタッフがブランドの枠を越えて接客、販売するのが特徴だ。「海外ブランドもこの日本の店頭の変化は注目している」という。
近隣のOL、主婦、出張客、ギフトのニーズにも応える
 「阪急フルーツギャザリング」でも、「シャネル」、「ランコム」、「エスティ ローダー」など高級コスメをセルフで販売。さらに、「アンソ」、「グラスハウス」、「シー・オー・ビゲロウ」、「ロクシタン」、「ジョンマスターオーガニック」、ブランド横断型のコスメショップでは同店でしか取扱いがない「サボン」など人気ブランドを取り揃えた。入り口付近では、季節やイベントごとに期間限定化粧品を販売。
 利用客は20~30代が中心。日中は近隣の住民や主婦、出張や観光で駅を利用する旅行者が多く、18時を過ぎると品川周辺のOLが一気に押し寄せる。
 「テスターカウンター」はスチーマーを完備した化粧台を設置しており、「出勤前後のメイク直しなどにも気軽に利用して頂いている」(芥川氏)という。「プリセットコーナー」では新幹線利用者の多い品川駅ならではのギフトニーズに対応。出張土産やプレゼント用のコスメセットを販売し幅広い顧客の取り込みを狙う。
顧客のライフスタイルごとにアレンジ
 同店は、美容トレンドにも詳しく情報が豊富なスタッフが接客にあたる。「“あの店に行くと面白いコスメ情報がある”と思って頂けるようにしたい」と芥川氏。また、目当ての海外コスメブランドがある固定的な客でも、情報提供の中から「ついつい他のものも買ってしまうフレンドリーな雰囲気作り」を目指している。
 スタッフは20名。ブランドを横断的に販売するため、ブランド毎の研修は頻繁。短い時間でもバックヤードで行っている。このため、通常の売り場よりブランド側の担当者のフォローが棚の盛り上がりに大きく影響する。ブランドの担当者と販売員が一緒に魅力的な店頭を作り上げていくイメージだ。スタッフはそれぞれのブランドの想いを受けとめて、客のライフスタイルごとにアレンジして届けるよう心掛けている。
 大阪梅田のフルーツギャザリングは、バスボディケアブランドを中心に百貨店のファッションフロアに、有楽町店はカフェ併設で美容サービスフロアに出店しており品川店と環境が異なる。仕入れは同社が独自に行っており、出店場所の特性を見極め、業態を少しずつ変えながら展開できるのが強みだ。品川店では今後、週末に比べて比較的OL層の寄り道が少ない月・火曜日の夕方以降に、美容知識やライフスタイル提案型のミニイベントを開催するなどして集客を図っていく予定。

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