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地域に眠る宝の山を 「本当の宝」に育てる〈インタビュー〉

熊本県菊池市 市長 江頭 実氏

阿蘇くまもと空港から北へ車で30分の熊本県菊池市。阿蘇山麓に広がる人口5万人の市。菊池米や水田ごぼうなどの農産物、畜産業、菊池温泉や菊池渓谷への観光で知られる。市長の江頭実氏は国際派の元銀行マン。「癒しの里」と銘打ち、いち早く「健康」で地域活性化に取り組んでいる。無農薬農作物の独自の品質認証「菊池基準」は大きな話題を呼んだ。同氏の考える地域活性の菊池モデルとは何かを聞いた。

「癒しの里 菊池」に込めた想いは?

前職で欧州各地に赴任していた2000年頃です。「何か世の中の変化が来ている、価値観が変わってきた」という予兆を感じたことがありました。それは、物から心の時代への変化であり、健康や生命、自然といった普遍的なものへの回帰の気運のようなものでした。その象徴としての日本への関心の高まり。今でいうクールジャパンの先駆けのようなムードが小さいながらも確実に起きていました。その根本はグローバル社会の色んな矛盾に対してのフラストレーションが溜まっていること。その反動から、日本の里山文化やシンプルモダンなジャパンへ関心が向いているのではないか。当時私はそう感じていました。
その後 何十年かぶりに故郷の菊池に帰ったとき、街はものすごく傷んでいました。シャッターを降ろし、まるで自信をなくしているかのよう。

ところがしばらく見廻していくと、「これは宝の山だ」と思えてきたのです。確かにいまは手つかずだけど、現代人の心の時代のニーズに合わせて丁寧に商品化していけば必ず上手くいく。そして市の再構築を、経済を始め教育なども含めパッケージで取り組む必要があると。ひと時だけのブームにしないよう、菊池文化や菊池市の本当の固定ファンを増やしていかなければならないと考えました。

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