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アンチエイジングは 筋肉から〈インタビュー〉

天現寺ソラリアクリニック 院長 松宮 詩依 氏

松宮氏は、大学病院のリハビリテーション科勤務を経て、老人病院、リハビリの回復期の病院で訪問診療や老人施設での診療にあたってきた。その後、関心のあった形成外科領域に移り、現在のクリニックでは、リハビリテ-ションと形成外科の両方の経験を活かし、予防や美容分野に加えて、筋肉や骨のアンチエイジングにも取り組んでいる。

筋肉の老化について?

リハビリテーション科に勤務していた頃は高齢者ばかりを診てきました。高齢になると、筋肉は伸縮のバランスが壊れてきて背中が丸まってきます。意識していないと、アンバランスになって、老化の典型的な姿勢パターンにおちいり臓器も弱っていきます。私は、予防のためには、単に、腹筋やスクワットをすればいいとかではなく、自分の身体の細胞の状態を知ることが肝心だと考えています。つまり栄養や筋肉の状態を客観的に知ることです。二重あごや首のシワを気にする方は多くいますが、ヒアロン酸を、脂肪吸引をと言う前にまず猫背の姿勢を正すことです。そもそも腹筋が弱かったり歩きが足らない方がとても多いのですから。腹筋を意識しながら歩くことだけでも状態は随分改善されるはずです。
人の筋肉や骨は、使わないとやがて退化していきます。実際、老人で運動していない人の筋肉を診ると廃用性でペラペラになっていることがあります。一度弱くなった筋力は取り戻すのには何倍もの時間がかかります。
一日5 分の筋トレで身体は変わってきますし、呼吸筋を意識しながら歩くだけでも効果が表れてきます。筋トレはいつでも誰でも出来ますし、得られる利益はとても大きいのです。筋電図で見ると筋肉の収縮が自分の意識付けで動くことがよく分かります。バイオフィードバックといって脳の中に筋肉の動きの成功体験の回路を作ることなのです。これはリハビリの手法の一つです。

若い女性の痩せすぎが問題になっていますが、解決策は?

栄養不良の痩せすぎの人は体の機能が低下してエネルギーを作れていないケースが多くあります。疲れやすくて副腎が弱っている人もいて、急に運動を始めるとかえって良くないことがあります。徐々に負荷や強度を上げていかなければなりません。まず栄養を整えて、基本的な睡眠やメンタルを整えて、その上で運動もできるようなら、歩くことから始める。お年寄りも同じです。いま話題の糖質制限もやってはいけない人もいます。やはり医師による事前のスコアリングが必要でしょう。
一方で、筋トレ女子のように熱心に鍛えている人は、身体が酸化しやくなっていることを心得ておきましょう。また動物性プロテインを摂り過ぎると腸内環境が悪化しますから、ビタミンC やE、コエンザイムQ10などの抗酸化物質を摂りましょう。運動後のお酒も効果が激減してしまいますから気をつけてください。
筋トレをやるときは「今、広背筋と腹横筋を動かしている」というように、その時の筋肉の動きをイメージしながら戦略的にやることです。そのことで100 回が半分の回数で同等の効果が得られるなど効果的に出来る可能性があります。
また、筋トレだけだと筋肉の柔軟性が失われてくるので必ずやってほしいのはストレッチです。筋肉には、起始と停止という始まりと終わりがあって、骨格筋は骨から骨に付着しています。その状態が分かると効率的なストレッチができるようになります。
顔の筋肉も使い方でタレにくくすることができます。体内で筋肉だけが唯一組織を引き上げることができる物質です。呼吸筋も、意識して大きく呼吸をしてほぐしていくことで呼吸域が広がります。普段の生活の中で、体の軸を上に上にと伸ばすように意識することで、全身の筋肉の動きにも効果的です。解剖学が分かってくると、アンチエイジングに役立つはずです。

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