未分類

ニーズ多様化で「海の家」も変貌 ビューティー、リラクゼーションも登場

 相模湾に面する海岸地帯、湘南ビーチの海水浴客数は、ここ数年増加の一途を辿る。昨年の海水浴客は鎌倉・由比ガ浜海水浴場が約80万人、藤沢・片瀬海岸海水浴場は約400万人。近年、海水浴場には海の家を目的に訪れる観光客が増加している。
 休憩所としてシャワー・ロッカー・軽食を提供する「海の家」は、オーシャンビューのカフェバー、ライブハウスなど、バラエティに富んだ「ビーチリゾートハウス」へと急激に変化。ユーザーのニーズに伴い、各海水浴場には様々な業界からの出店が相次ぐ。ビューティービジネス関連の出店依頼も増加した。


ビューティービジネスが初参画したのは平成12年のこと。鎌倉・由比ガ浜海岸にTBCグループ(株)がエステサロンを併設したビーチリゾートハウス「Cool」を大々的に出店。コンセプトは“近隣のビーチでおいしい食事とリラクゼーションを得ながらエステを受ける、贅沢で優雅な空間の提供”。当時1日平均約30名、延べ5,000名が利用した。
 「海の家」への企業進出は珍しく、エステティックというカテゴリーでも新鮮かつ斬新な記憶を残した。その後、毎年リラクゼーション系が出店するが、しかしながら、ほとんどが数年で撤退している。由比ガ浜海水浴場茶亭組合・組合長増田元秀氏(47)によれば、「海の家の権利売買などの絡みが理由ではないか」と話す。
 
 「競合は国内ではなく、ハワイなどの海外ビーチリゾート」と、前述の増田氏。今年は原油燃料の高騰により、海水浴動員数は減少すると予測されたが、7月末までの動員数は昨年比で約150~200%。海外旅行を取りやめ、国内のビーチリゾートで過ごす人が多いようだと海の家関係者は話す。ユーザーニーズに合わせ年々変貌を遂げる海の家ビジネスに、ビューティー関係者も注目している。
 
 鎌倉・由比ガ浜海水浴場に、今年で4年間連続出店している温石薬石整体院 樂。アロママッサージ、タイ古式マッサージなどを提供。「海水浴客よりも圧倒的に地元住人が多い。ほとんどが男性客」と、オーナー渡邊克基氏。会社帰りに海の家で食事を摂り、マッサージを受ける。同海水浴場の海の家営業時間は11:00~23:00。昨年の利用客は550名。一客平均単価3,000円。
 
 藤沢・片瀬海岸海水浴場では、ソフト・オン・デマンド㈱と農業改革をコンセプトとした国立ファームのコラボ「体にいい海の家」が出店。フードメニューは、ホットドックの中にふろふき大根が入った「ふろふきドッグ」や「無添加・無着色 世界にひとつのシロップカキ氷」など。湘南野菜を毎朝取り寄せ、安心・安全な食材を使用し、他との差別化を図っている。「1日平均約500名が来店(7月末現在)。家族連れの割合が多い」と、ソフト・オン・デマンド㈱松浦啓佳氏。

イベント情報

PAGE TOP