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日本の温泉地だけが持つ 「心を癒す力」〈インタビュー〉

If-ZEN代表 マッシモ・サビオン氏

マッシモ氏は、イタリアの一大温泉保養地アバノ・モンテグロットの温泉ホテル協会元会長で、元アバノ市副市長。5月に開催された「世界温泉地サミット」(於大分県別府市)で、温泉保養地が提供する医療・美容・健康について講演を行った。来日中のマッシモ氏に、同氏が考える日本の温泉地のチャンスについて聞いた。


日本の魅力はどこにあると?

温泉地そのものが日本の魅力だと考えています。私のいるイタリアのアバノではファンゴ(泥)パックという優れたメディカルテラピーがあります。健康にとって最高です。でも何かが足りない。それは安堵や安らぎといった精神的なもの。日本の温泉地はそれがあるのです。
自然の景観に溶け込んだとても小さな集落。浴衣姿で温泉街を歩くことも非日常の楽しみです。高級旅館でなくても、日本の温泉旅館にはホスピタリティが溢れています。毎日の仕事が忙しく、家族との会話もままならないような人が温泉旅館に一歩足を踏み入れて感じるリッラクス感。そして料理は、見た目も美しく、品の良い盛り付け。食材はとても厳選されています。全てが寛ぎの空間です。これこそが日本です。

アバノ・モンテグロットの温泉保養について?

我々の温泉保養地アバノ・モンテグロッタ・テルメへは年間100 万人の観光客が訪れています。その6 割は欧州からの外国人客で、ドイツ、フランス、スイス、英国などからです。温泉地一帯には120のホテルが建ち20,000 ベッドを有しています。それぞれのホテルにある源泉からは90 度の高温の温泉が湧き出ています。インドアやアウトドアの温水・冷水プールも完備しています。
どのホテルも、メディカル(治療目的)とリハビリテーション、ウエルネス(ボディ、ビューティ)のトリートメントが用意されています。メディカルトリートメントは、ファンゴ(温泉泥)マッサージ、蒸気浴を中心に構成されていて、ドクターの処方箋があれば、保険適用として年二回ファンゴ(温泉泥)と温泉水のテラピーを受けることが出来ます。泥の品質については厳格で、パドバ大学が週に一度チェックし管理をしています。
午前中に目的のトリートメントを受けます。午後はフリーにして、ワイナリーやグラッパの蒸溜所見学といったエスカーションや、ノルディックウォーキング、自転車などのアクティビティに参加します。一週間の滞在だと午前中はトリートメント(6
回)午後は3 回分のエクスカーションを含めたパッケージで提案しています。宿泊客の7 ~ 8 割の方がこうしたパッケージ客で、その6 割は女性です。40 歳以上の方が多いですね。一日の費用は、宿泊とトリートメントを含めて、三つ星ホテルで120ドル、五つ星ホテルだと400ドル程です。メニューは沢山用意していますが選択の自由度を心がけています。

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