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上手な歳の重ね方の道案内を

朝倉匠子氏(エイジング・スペシャリスト/エイジング・ナビ総合研究所所長、財団法人シニア
ルネッサンス財団理事、NPO法人アンチエイジングネットワーク顧問)
 高齢化社会を迎えエイジングやアンチエイジングという言葉が巷に飛び交い、健康で充実した歳の重ね方が問われる時代になった。20年前に米国でジェロントロジー(加齢学)という学問を修め、「アクティブ・エイジング」という新しい歳の重ね方を提唱、実際のパーソナルカウンセリングなどで年齢を積み重ねることの楽しさを伝えるエイジングのスペシャリスト朝倉匠子氏に話を伺った。現在テレビコメンテーターや青山学院大学で非常勤講師として活躍している。


■ジェロントロジーとの出会いは
 
 スタートは、モデルでした。青山学院大の一年の時、資生堂のキャンペーンガールになったのがきっかけでその後テレビの司会、インタビュアーとして忙しく仕事をしていたものの、思い描く自分とのギャップに焦りを感じていました。30歳になった頃思い切ってアメリカに渡り、結婚、出産。10年間一切のメディアに出ることをやめました。その間カルフォルニア大学のアーバイン校へ入り勉強したのが『ジェロントロジー(加齢学)』でした。
  『ジェロントロジー』とは、2050年には世界中が高齢化になることを見越して構築された学問で、1970年代前半にはアメリカの大学で注目され始めました。生涯自立した個人であることとそれを支える社会の実現のために医療や哲学を含めた総合的なアプローチをする学問です。
 
 1928年大恐慌の前に中高年の40歳以上に対して大規模なレイオフが行われた時、カーネギー財団がスタンフォード大学の心理学部に40歳未満と40歳以上では精神的、肉体的、頭脳的に差があるのか調べさせました。その結果、能力差は認められず年齢による雇用差別はあるべきでないという結論を導き出しました。これはジェントロジーの科学的なデータとして最初のものでした。
 その後、少子高齢化は先進国から進行するという予測が加味され、この学問のミッションは自立して生きていくことを教える学問となりました。「誰かが、社会が、国があなたを支えるのではなく、自分が立って歩きなさい」という考えに基づいています。現在米国内では1800箇所の教育機関でジェロントロジーを学べます。
 
 私が関わっているエイジング・ナビ総合研究所では(財)シニアルネサンス財団が養成した2000人のシニアライフアドバイザーやポータルサイトに集う3000人のネット会員や研究員によって企業のシニア関連の商品・サービスに関する調査・研究を行っています。これはジェロントロジーがベースになっています。

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