連載

From Europe(ヨーロッパから)

旧駅舎を利用した植物園

今回は出張で訪れたスペインの首都マドリードからお届けしたいと思います。
マドリードは数年前まで深刻な大気汚染に悩まされていましたが、一年前から市の中心部へ入る車の侵入規制を行い、汚染の状態を1~3のレベルごとにわけてプロトコールを発令し、状態が深刻化するまえに改善を行う事により空気の浄化を実現したそうです。町の公共交通心臓部であるアトーチャ駅内の旧駅舎に260 種7千本以上の木が立ち並ぶ植物園が設置され、駅を利用する人々以外にも安らぎの空間を提供していました。その植物園の周りを囲むのは売店ではなく落ち着いたカフェであり、お洒落なデザインの構内と緑を交互に眺めながら、お茶や食事を楽しめる空間が演出されていました。又、町のいたるところには缶やプラスチックの自動リサイクル・ボックスが設置されており、ここまで環境に力をいれている都会の存在に驚きました。またヨーロッパでのオーガニック認定基準であるBIO 商品の扱いもスーパーマーケットから専門店まで浸透しており、使用されている包材の多くに再生可能な素材使用が目につきました。

欧州ではBI0商品は広く普及している

すべての小売店ではプラスチックゴミを減らすためにレジ袋も有料化されているので、消費者にとってマイバックの持参は日常化していました。
国連で2015 年度にSDGs が採択されてから、日本でも企業や団体を中心に意識を高めようとバッジを胸につけている人々を見かけますが、実現化したという点では、マドリードをはじめとする社会全体を巻き込んだ欧州の取り組みは、結果として一歩先を進んでいるのだと感じました。

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