企業情報

サンプル配付によるデータベース

 (株)リラク(東京都港区)では、今春より、店舗内のサンプリング配付に付随する広告収入を、新たな収益の柱とする戦略を強化していく。
 同社では、リラクセーションサロン「和風癒処(わふうゆどころ)」や「和風癒処 SEASON」などを都内中心に約30店舗展開。施術者個々の顔が見える技術とコミュニケーション力を、月中再来店、約7割の高リピートに繋げてきた。 


 常務取締役の能美裕一氏は「データ分析の結果、弊社の店舗を利用するお客さまは、選択型の消費行動をとっていることが判った。例えば、核となる25~34歳で、可処分所得が5~10万円と3万円の層を比較してみても、可処分所得が低い層に属しているにも拘わらず、月1~2回来店している方々も存在した。客単価5000~7000円であることを考慮に入れ、可処分所得と比例しない選択型の消費行動を取る層の存在が明らかになった」という。
 
 さらに施術者は、お客と何気ない会話を通じて密にコミュニケーションを図っている。また月に2~3度利用する顧客が7割ほど存在する。これは、いかに施術者がお客の支持を得ているかの顕れ。そこで昨秋よりこの特性を活かし『健康や美容に関心がある25~34歳を中心とした1万5000件のコアな客』『選択型の消費行動』『客と施術者が積極的にコミュニケーションを図っている』などの属性を活用。「健康・癒し・リラクゼーション・美容」関連の食品や飲料を店内でサンプリングし、その反応をメーカーにフィードバックするというデータベースマーケティングを開始した。
 
 その結果、平均して「買った」が10%、「購入予定である」15%、「他人に勧めた」10%という結果となり、商品に高い関心を寄せる客の存在が明らかになった。同社では、既に複数の企業とのタイアップによる10万件以上の配付実績があることから、昨年12月より複数の商品を「癒しの福袋」に同包し配付を行なっている。
 
 これまでリラクゼーションサロンでは、施術料金×施術数イコール売上げとなっており、いかに効率的に施術を行なうか、客単価を上げるかが鍵だった。だが、同社では施術とは新たな収益モデルを構築し、これまでと異なる売上げ構造を築き上げようとしている。なお、同社では今後、店舗全体のメディア化も視野に入れている。

イベント情報

PAGE TOP