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すべてのスポーツ指導者をモチベーターに

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パーソナルトレーナー 中野ジェームズ修一 氏
 プロテニスのクルム伊達公子選手の現役復帰に貢献するなど、有名アスリートのパーソナルトレーナーとして知られる中野ジェームズ修一氏。「日本のスポーツ人口を増やすためには、スポーツの楽しさを伝え機会を増やすことと、やる気を高める指導者の技術向上が必要」という。その心理学を応用したモチベーションアップのテクニックは、スポーツ分野以外の異業種企業も注目する。同氏はその実践的方法を「モチベーションテクニック」と題し一般社団法人モチベーションアカデミーで広める活動を行っている。


■「モチベーション」に着目したのはどのような理由で?
 トレーナーを目指して渡米。帰国したのは1997年、日本ではまだパーソナルトレーナーという言葉もない頃です。自分は海外で勉強してキャリアも積んできたのだ。フィジカルを見る、競技力を上げる、ダイエットをさせる、どうすれば筋肉が付くのか、脂肪が落ちるのかといった理論上のことは理解しているから、あとは実践のみ。意気揚々のスタートでした。
 ところがいざ始めてみると、せっかくのクライアントが、成果が出せないですぐ辞めていってしまう。自分のアドバイスは理論的に間違ってはいないはず。摂取カロリーをどの位に抑え、どんな種目の筋トレを何セットやって、どんな強度の有酸素運動をどの程度やればと、数値でまで示して全てプログラムを作っているのに。最初の一週間位はやって頂けるが段々サボってくる。
 私は、イライラが募ってきて、しまいには出来ないクライアントを駄目人間のように見てしまっていたのです。冷静に考えると、彼らは出来ないからトレーナーの元に来るわけで、何も悪くはないのです。これは継続してもらう手段を考えないと、今のままでは自分の知識や理論は現場で通用しないのだなと気づいたのです。そして行動を継続させることが出来れば効果は必ず出るはず。この時のキーワードが「モチベーション」だったのです。
■それで心理学を?
 米国時代にアルバイトしていたホテルでモチベーションテクニック研修というものを受けたことがありました。再びそのホテルに来ていただくためのものです。これを応用できないかと考え、答えを探して心理学の勉強を始めました。
 指導現場の中に落とし込んで実践してみると、確かにクライアントの中に自分自身で行動を起こし成果を上げる人が出てきました。その日のセッションが終わると自ら進んで次を予約し、中には1年先まで予約を入れる人も出てきました。やっと何か手応えを掴んだのです。
 現在は、メールだけ、電話だけの人、月一回、半年に一回の方も含め、クライアント数は、120名を超えています。
■スポーツ指導の現場で感じていること
■もっとも効果的なトレーナー術とは
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中野ジェームズ修一氏
フィジカルトレーナー/パーソナルトレーナー
(有)スポーツモチベーション代表取締役
 1997年米国より帰国。米国スポーツ医学会認定の指導員として、個人契約したクライアントに対し、パーソナルトレーナーとして活動。2003年に有限会社スポーツモチベーションを設立。心理学を応用した独自の指導法「モチベーションテクニック」のセミナーを始め、2009年にモチベーションアカデミーを設立。

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