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自分のメンテナンスのために温泉を活用する時代へ

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温泉ビューティ研究家/温泉トラベルデザイン研究所代表 石井 宏子さん
 温泉ビューティ研究家の石井宏子さんは、温泉の美容力で心も体もきれいになると、「ビューティツーリズム」を提唱する。現在は、マスコミや講演、執筆活動で、温泉旅の魅力を伝える一方、地域活性や温泉旅館活性のコンサルタントとしても活躍中だ。石井氏は、9月のダイエット&ビューティフェア、スパジャパンでも講演する。


■「温泉」に関心を持ったのはいつ頃?
 外資化粧品会社や商社でマーケティングや広報の仕事をしていたのですが、温泉は大好きで、訪れた温泉地の情報や雑感をブログで書き綴っていました。
 温泉地には、美人の湯、美肌の湯がいたる所にあります。でもどんな違いがあって、どう有効なのかも分からないし、説明もない。きっと根拠はあるはずと考え、まず分析表に注目して泉質を調べる旅を始めました。7年程前のことです。それが今も続いている1年の内の200日にわたる旅生活の始まりです。
 その旅で色々な事に気づくことが出来ました。季節の移ろいのスピード、街や人の微妙な変化、新緑の緑色にも微妙な違いがあること。つくづく旅そのものが自然療法なのだと実感しました。温泉だけでなく旅全体が療養だと思えてきたのです。
 その後、ドイツで気候療法の勉強をしてみるとこれまでの体験や経験を裏付けることばかりでした。これを基にして旅の中に美容的な過ごし方の提案が出来ないものかと考えたのが「ビューティツーリズム」です。景勝地は、海が一望できて、確かに景色が素晴らしい。でもそれ以上に、実はそこに居るだけで既に体や美容にとってもとても良い場所なのです。いつもと気圧の違う場所、海風、砂浜全てが健康資源というわけです。
■温泉地のこれからのターゲットは?
 いま、丸の内朝大学で30代~アラフォー世代の社会人に向けて、温泉旅の楽しさを伝える講座を持っています。毎年150名の参加者がいますが、皆さん非常に熱心です。
 最初の頃は、この情熱を地域活性に繋げようと考えていたのですが。やがて、温泉地の方と旅行をする方の考えに、落差を感じるようになりました。つまり地域は温泉を核としてファン作りをしようとします。年に何回も来て頂くリピーター作りです。でも行く方はどうでしょう。毎年1回行けば相当なファンです。2年に1回行くだけでもかなり気に入った場所と言ってよいでしょう。そのギャップをまず認識し、ともかく温泉地へ旅することのファンになってもらい、そのリピーター作りをしようと思ったのです。
 私は、これからの温泉客層として、現役社会人の「プチ湯治」的な利用に期待をしています。自分のケアのために温泉地を訪れるという行動が、もっと浸透していくように思えるからです。
また、セカンドオフィス化という考え方もあるでしょう。ネットが完備されてテレビ会議も出来る環境であれば、1週間の湯治でも実際は可能です。欧米のようにロングバカンスは無理でも1週間なら日本でも企業の福利厚生の一環として温泉を保養に利用できるはずです。
■日本の魅力をどう伝えるか?
■温泉地の課題と展望について
以下は紙面でご覧下さい。
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石井 宏子 氏
 外資系化粧品会社や海外ブランドのマーケティング・広報での経験をもとに温泉の美容力を研究する「温泉ビューティ研究家」。温泉や旅で心も体もきれいになる“ビューティツーリズム”という新しい分野を提唱している。雑誌、新聞、インターネットなどでの執筆多数。

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