話題の人

エステティックと医学の架け橋に

TBCグループ㈱ 代表取締役、医学博士、保健学博士
日本抗加齢医学会認定指導士 手塚 圭子氏
 日本抗加齢医学会総会のプログラム「エステティックにおけるアンチエイジングへの取り組み」の座長を務めたこともある(第10 回、京都)手塚氏に、エステティックとアンチエイジングについて聞いた。


 日本抗加齢医学会総会では、虎ノ門病院副院長の大原國章先生と、座長を務めました。学会には約3000 人の参加者があり、私が座長を務めた本セッションでも医師の参加も多く、医師や病院の経営者からもたくさんの質問を頂き、エステティックへの関心が高いことを感じました。
 ある医師からは、エステティックに対して、悪い評判を聞いてネガティブな印象を持っていたが、今回のセッションの話を聞いて、こんなに真面目にアンチエイジングに取り組んでいるなんて知らなかった、と言われました。医師の方々にも、エステティックについて正しく理解してもらうことが重要だと改めて思いました。
 数年前に日本抗加齢医学会認定指導士の資格を取得しました。これは同学会が認定するもので、試験を受けて合格した後、資格を維持するために、毎年学会に出席するなど単位を取得しなければなりません。
 やはりアンチエイジングを追求する上では、医学的な知識は必要です。最新の医学研究を踏まえて、実践的で正しい情報をビューティの世界に提供することが私の役目だと思っています。
 エステティックは予防医学の領域では大きな役割を担っています。この分野ではエステティシャンはエステティックの専門家ですし、医師は医学の専門家です。欧米では対等な関係ですが、残念ながら日本ではそうではない部分が少なからずあるように思います。ただ、対等に話をするにはエステティシャンも、もっと勉強する必要があると思います。
 数年前からクリニックにエステティックを導入するケースが増えていますが、マインドは医療のままのことが多いようです。これらの施設でもホスピタリティマインドの高いエステティシャンがもっと積極的に関わっていけば、消費者の満足感を高められると思います。
 最近ではデイサービスや介護を行う(介護福祉士やヘルパーの)方々がエステティックの技術を学ぶ「ケアセラピスト」という資格もあります。高齢者の方の美容や衛生面のケアだけでなく、心のケアまで行うエステティックには大きな可能性を感じています。

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