特集

保湿による“抗シワ”、本格市場形成へ

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【特集:アンチエイジング】

 本格的な高齢化社会を迎え、消費者のアンチエイジングへのニーズはますます高まっている。老化による肌の悩みはシミ、シワ、たるみが大部分を占め、化粧品には少しでも効果的な保湿、美白、抗シワ機能が求められている。


●約40%がエイジングケア迷子?
 テレビや雑誌では、肌の老化の仕組みや、新しい知見が出るたびに、糖化や幹細胞といった単語がクローズアップされる。消費者は「アンチエイジング」という言葉に何を求め、実際に何を行っているのだろうか。
 ポーラ文化研究所は2011年9月末、「肌の老化実感と女性のエイジングケア意識」調査の結果を発表した。20代~60代までの女性1500人に、実感している肌の老化現象や実践しているアンチエイジング法について聞いている。
 この中で、アンチエイジングに興味がある人は全年代で73%だった。興味深いのは「エイジングケアを行いたいが行っていない」人が多いことだ。30 代では行いたい(76%)行っている(36 %) の差が40%もある。その理由として、47%がどうしたら良いのか分からないと回答している。情報過多で商品は飽和状態といわれるが、自分の肌の悩みを解決するために必要な情報や商品を求めている消費者は、まだまだいる。
 
 実感している肌の老化現象では、30代では「シミ・そばかす」が1 位、「シワ」が2 位。40代、50代、60代以降は「たるみ」と「シワ」が上位を占めている。
●大手の“抗シワ”商品発売相次ぐ
 
 シワに関しては、2011年7月、化粧品の56 番目の効能に「乾燥による小ジワを目立たなくする」が追加された。ただ、この効能を標榜するためにガイドラインが設けられており、1商品あたり150 万円~400 万円の費用がかかる評価試験で効果を確認する必要がある。
 
 当初は、しばらくは様子見という企業が多かったが、秋から冬にかけて資生堂、コーセー、カネボウといった大手化粧品メーカーが相次いで評価試験済みの商品を発売。現在では10 社以上から発売されている(表)。これを見たほかのメーカーも腰を上げ始めた。評価試験受託会社への取材では、少なく見積もっても50 品は試験を行っているようで、今年はさらに「抗シワ」化粧品が登場しそうだ。
トピックス
抗シワ評価試験の講演会に1000人

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 財団法人 日本粧業会は2 月1日・3日、東京と大阪で「抗シワ製品評価試験等関連講演会」を開いた。2 会場合わせて約1000 人が集まり、業界の抗シワ効能への関心の高さがうかがえた。

 化粧品の新効能「乾燥による小じわを目立たなくする」を標榜するためには、日本香粧品学会が定めたガイドラインに基づく試験を行い、抗シワ効果が確認されることが条件となる。この講演会では、ガイドラインを策定した香粧品学会の理事長で、東京女子医科大学教授の川島眞氏が「抗シワ試験の実際と留意点」と題し、これまでの経緯や、実際に試験を行う際の具体的な注意点を解説した。

 講演の中で川島氏は、試験サンプルに最適な試験計画を作ることや、ガイドラインに即した試験や評価を行い、試験結果の客観性を維持することが重要との見解を示した。その後は日本化粧品工業会より関連自主基準の説明が行われた。
以下、詳細は紙面でご覧下さい。
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