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炭酸飲料とその「脳を活性化する」可能性 (MINTELグローバルトレンドレポート10)

しゅわっと爽やかに喉の渇きを癒す炭酸飲料は多くの消費者を魅了しています。しかし、炭酸飲料の健康効果に関する強調表示は未だ十分に活用されていません。米国のプレバイオティクス・ソーダブランドOlipopの成功を見ると、炭酸飲料カテゴリーにおいて機能性健康強調表示を行うことが有効であることがわかります。この記事では、集中力や活力を促す成分を配合することで、炭酸飲料をよりイノベーティブな商品にするための鍵について解説します。

ヌートロピックやアダプトゲンを取り入れる

アダプトゲン(ストレスに適応するための天然化学物質)は、最近話題の健康キーワードのひとつです。Mintelの世界食品飲料トレンド2021 ‘Feed the Mind’ ではブランドが消費者の精神的なウェルビーイングをサポートするポテンシャルを持っていると解説されています。

アジア太平洋地域では、インドの消費者の約3分の1 and タイの消費者の約3分の2 が脳に効能を与えるドリンクに関心を持っています。炭酸飲料の成分にイノベーションを図り、消費者の脳を活性化させるニーズに対応することができるでしょう。アダプトゲンに加え、ヌートロピックは認知機能や記憶力を向上させる成分です。これらの成分を使用した製品は、利点、消費者教育、実証された効能、そして美味しさを適切に組み合わせることで、よりメジャーになっていく可能性を秘めています。

米国に拠点を置くソーダ飲料のスタートアップ、Perfy は消費者が落ち着いて集中し、精神のバランスを保つサポートとして、果汁、アダプトゲン、ヌートロピックを使ったソーダを発売しました。主要成分は、お茶や一部のキノコに含まれる天然由来のアミノ酸であるL-テアニンです。この成分には癒しの効果をもたらすことが知られています。

アダプトゲンやヌートロピックを配合したPerfy(米国)

ゲーム中の集中力アップへ

こうした炭酸飲料は、ゲーム中の集中力を高める機能性飲料を求めるゲーマーにアピールできる可能性を秘めています。現在、ゲームに特化した機能性飲料はエナジードリンクのカテゴリーに多く見られています。米国では、エナジードリンクの消費者の約5分の1がゲームをしながら飲むと答えています。一方、ソーダを飲みながらゲームをすると答えた人は、ソーダの消費者の8人に1人です。

一方、英国では16歳未満の子供へのエナジードリンクの販売が禁止されています。ブランドは、機能性炭酸飲料における精神集中の効能を謳い、エナジードリンク以外の選択肢として、若い層をターゲットにした商機を見込むことができます。

ジンジャー&ジンセン配合のスパークリングレモンドリンク(オーストラリア)

また、機能性炭酸飲料はゲームでの集中力の向上だけでなく、勉強や仕事などターゲット層の日常生活にも役立つと言えそうです。中国の18歳以上の消費者の約半数が学校や職場にいる間にダイエット用ではない炭酸飲料を飲んでいるといいます。ゲームパフォーマンスを上げるような機能性炭酸飲料は、集中力や脳の健康に加え、目の健康をサポート成分など、様々な効能を取り入れることができるでしょう。

Mintelの思い

2017年12月から2021年11月までに新発売された脳の働きや神経への効果を謳った炭酸飲料は、ごく小さな規模から成長し、炭酸飲料の全発売数の1%未満を占めるまでになりました。このように、未だニッチなカテゴリーですが、脳を活性化させる訴求を取り入れ始めるのはいかがでしょう。科学的に証明された「体に良い飲み物」の選択肢として差別化を図ることで、さまざまな年齢層の消費者へのタッチポイントとなり、定番の炭酸飲料に健康効果を求める新たな消費者を獲得することができるでしょう

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