コロナ禍を通し、誰もが安らぎを感じることのできる食べ物のひとつであるチョコレートは、さまざまな工夫が見られるようになりました。例えば、ヴィーガンレシピは消費者への魅力を集めています。一方、ユニークなフレーバー、食感、形状のチョコレートも新たに発売されています。シニアイノベーションアナリストのAmrin Waljiが、2022年に注目すべき3つの主要なチョコレートトレンドを解説します。
1.広がるヴィーガンチョコレートの魅力
食品・飲料業界では、消費者が動物由来原料の消費を抑えたいと考えています。 チョコレート菓子をはじめ、より植物性の高い食品への需要が加速しています。例えば、英国では、チョコレートの消費者の4人に1人が過去数ヶ月の間にヴィーガンチョコレートを食べたことがあるといいます。ヴィーガンチョコレートは、健康上の理由で乳製品を食べられない人たちだけでなく、より幅広い消費者にアピールできる可能性があります。しかし、ヴィーガンミルクチョコレートが成長するためには、消費者が乳製品入りのチョコレートと比較して、品質やコストパフォーマンスの高さを保証する必要があります。
出典:Mintel GNPD
Kitchen Sink Chocolate Barは、ライスミルクベースのヴィーガンチョコレートバーで、ファッジ、レーズン、コーンフレーク、砕いたビスケットが入っています。(英国)
2. プラスチック包装からの脱却
個包装のチョコレートは、シェアする形式に比べて衛生的で安心感があるため、コロナ禍での重要性が増しています。ブランドはプラスチックから脱却し、生分解性、堆肥化、リサイクル可能な素材など、より環境にやさしいパッケージの選択肢を模索しています。Mintel GNPDによると、パッケージにおけるプラスチックの使用は半減し、ホイルの使用は倍増しています。
出典: Mintel GNPD
DM Bio Whole Milk Whole Nut Chocolate 100g入り、持続可能なセルロースから作られた堆肥化可能な内袋付き(ドイツ)
3. 消費者の意識が企業の倫理観重視を後押し
サステナビリティへの取り組みや社会的責任を持った生産活動を意識したブランドは増え続けています。倫理的な資源調達や環境に配慮した製品など、持続可能性をうたった製品の発売が最も多くなっています。消費者は、道徳的に配慮された製品に関心を示しています。ブラジルの消費者の3分の1以上が、サステナブルな方法で生産されたチョコレートにもっとお金を払ってもいいと考えています。多くのチョコレートブランドは、倫理的で持続可能な取り組みをアピールすることで、人々や環境に対する責任を表明しています。
出典: Mintel GNPD
Get Real Dark Chocolate with Chai Tea Leaves は、フェアトレードの原料を使用し、売上の10%を子どもたちの保護施設に寄付しています(アルゼンチン)。
豪華なパッケージの裏にあるもの
イースター商戦は、小売店にとってチョコレートが最も重要な役割を持つです。しかし、消費者はお菓子そのものの甘さや歯ごたえを超えるものを求めています。消費者がより持続可能な選択をするようになるにつれ、チョコレートメーカーは近い将来、ヴィーガン食材、持続可能性、倫理的主張に関するイノベーションを続けていくでしょう。