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不況の今こそ、スパのチャンス

【話題の人】VIVACE BEAUTY, VIVACE TOKYO 代表 
伊是名 祐子氏

伊是名氏は那覇市首里にショップ、カフェ、料理教室、陶芸教室を併設したコンセプトサロン「VIVACE(ビバーチェ)」を展開。今年10 月には東京に店舗をオープンした。いまスパに求めら れているものと、そこにあるチャンスについて伺った。


スパに関わったきっかけは何ですか
 私がスパに関わったのは約15 年前、沖縄県名護市のブセナテラスでのスパの立ち上げからです。「スパ」という言葉がまだ一般的でない時代です。 スタッフは私を含めて3 人からのスタート。立ち上げ時期だけの予定がリゾートスパという仕事に夢中になり、結局7 年勤めました。 オープン当初は1 週間で3 人だったお客様が、最終的には予約がとれない状態にまでなりました。その後スパ棟も完成し、ベッドも2台から8台に、スタッフは20 人に増えました。
 32 歳でブセナテラスを退職後、もともとやりたかった沖縄と健康をモチーフにしたコンセプトサロン「VIVACE(ビバーチェ)」をオープンしました。カフェ、陶芸教室、運動や栄養相談、料理教室、インテリア雑貨店、スパが一体となっています。 その当時は、スパがいよいよブームになりはじめた頃で、女性誌でもとりあげられることが多くなり、東京からもわざわざ来店いただくようになりました。しばらくすると、地元のお客様も増えてきました。現在は地元8 割で観光客が2 割、観光客の方もリピーターになっています。
10 月オープンの東京店の特長は?
 東京店も沖縄同様、スパにショップとカフェが併設されています。トリートメントは“沖縄スタイル”です。ただ単に沖縄の音楽や素材を使った表面的なものではなく、私たちが追求した沖縄ならではのスパを提供しようと考えています。
 まず、琉球舞踊の動きを取り入れた施術。セラピストは必ず琉球舞踊の師範から踊りを習っています。これは、琉球舞踊を習得することで体が柔軟になり、手首もしなやかになり、ケガの予防にも有効だからです。また施術の際、腰を落とすなどの体勢の作り方、体重の掛け方などがスムーズになります。 音楽も沖縄の古典を使います。施術の際、リズムや呼吸が取りやすいのです。
 室内のディスプレイには琉球舞踊で使う踊りの道具を配しました。 また、セラピストは房指輪という琉球の伝統的な指輪をつけてブランケットの上からタッチをします。琉球舞踊の女踊りで使う房指輪は琉球王朝時代から嫁ぐ娘に母親が送るもので様々な意味が込められています。タイスパが手を合わせお祈りから施術を始めるように、私たちもこの指輪をはめることで神聖な気持ちで施術に入ることができます。 東京で「沖縄」を発信することに覚悟と責任をもって取り組んでいます。
いま、スパに、そしてセラピストに求められるものは?
 この不況でも予約がとれないほど人気のサロンは沢山あります。最終的にはお客様はセラピストにつくということですね。それは、その人の技術力やまた会いたいと思わせる人柄なのだと思います。
 私たちのメニューは時間と金額だけが決まっているカスタムケアです。十人十色といいますが、今はまさに一人十色。特に30 代後半から40 代、50 代になると、毎回コンディションが異なります。セラピストはいかに多くの引き出しを持っているか、押し付けで無く、最善の提案をできるかが重要です。
 最近、沖縄の店舗で、着替えなしで行う「サーティミニッツ」という30 分の短いコースを始めました。これは出産後のスタッフが戻ってきたことがきっかけです。時間の制約がある彼女たちのようなセラピストにも働ける場ができました。そして、スパに行きたいが、どうも敷居が高いというお客様にとっても、想像以上に喜ばれ多くの方に来店いただくことが出来ました。
  スパに行きたくても行けない人は沢山います。潜在需要はあるのですから、こんな場面からでもスパとの出会いが増えていくことが良いのです。 ストレスや不安の多い不況のいまこそ私にはスパはチャンスだと思えるのです。

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