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月売上1,000万円、24坪のトータル美容サロン

信頼を得た美容師が、付加サービスへ誘導
東京・二子玉川「TANGA NILLA(タンガニーラ)」

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 美容サロン「タンガニーラ」(東京都世田谷区玉川)は、東京・渋谷から田園都市線沿線の二子玉川駅近にある。この辺りは、洗練されたライフスタイルの高所得層の住むエリアとして知られ、ヘアサロン、エステティックサロンの激戦区だ。そこで、6年目を迎える同店は24坪という小スペースでトータル美容を提供し、毎月1,000万円を売り上げる。ヘアトリートメント、ヘッドスパ、ボディ・フェイシャル、ネイルなどの付加メニューを提供し、その売上比率は30%を上回る。


3年目から売上1,000万円に 
 「タンガニーラ」は2002年11月ヘアにネイルサービスを加えた美容サロンとしてオープンした。マネージャーの手束繭美氏は「オープン前からトータル美容サロンのイメージはあった。海外で多くのスパを見てきて、美容室にベッドを置いてスパサービスを提供しようと考えていた」と話す。
 1年後にはフェイシャルメニューを追加し、06年9月からは、カーテン2枚で仕切った奥の小部屋でボディメニューを始めた。このあたりから売上が月1,000万円を突破した。
 「提供する技術に絶対の自信が持てて、お客様に伝える言葉に力がついた」ことが、成功要因と話す。24坪の店内は、レセプション、カット用チェア5台、スタイリング用1台、シャンプー台4台、ボディ用ベッド1台が効率良く配置され、どこでどんな施術を受けているかひと目で見渡せる。フェイシャルやネイル専用のブースを置かず、客の施術の進捗状況に合わせて場所を移動しながら行う。ヘアチェアの客のフェイシャルは客の正面に立って前から行うこともある。
トータル美容化で、来店頻度高める 
 客の年齢は40代が中心、そのうち男性は25%。料金は、このエリアでは高めの設定で、カット6,000円、パーマ・カット12,000円。ヘアの平均客単価は10,000円。これにその他の美容サービスの5~6,000円が追加されていく。
 「トータルサービスのメリットは来店頻度を高められること」(手束氏)。通常2ヶ月に1回カットに訪れる客が、ヘッドスパやボディ、フェイシャルのためにと、その間に来店する。ヘアの客の3割が何かしらの付加メニューを受けている。年間10万円以上を使うロイヤルカスタマーの比率は、他店に比べ非常に高い。
 手束氏は「あくまでも立ち位置はヘアサロン。技術力があり信頼できるヘアスタイリストの言葉で、他のサービスへと誘導する。頭皮や肌の提案など季節に合わせて行っていく」と、付加サービスの高比率の訳を説明。月によってはヘア売上の40%をヘッドスパが占める。スタッフは全部で12名。そのうちセラピストは1名、ネイルは兼任で1名。フェイシャルはヘアのスタッフ全員がやる。レセプションは置かず全員でカバーする。
 
 価格を下げるキャンペーンは一切ないが、ヘアの客の誕生月に、付加サービスを何か一つプレゼントする。「セラピストの腕の見せどころになる。これをきっかけにボディ客に出来るかのチャンス」(同氏)。逆に付加サービスの方の客ならヘアに誘導する。各自の技術を客にプレゼンテーションしながら全体の売上を上げていく。
色々なサービスを集めるだけでは駄目
 トータルビューティ導入の秘訣について「色々なサービスを導入すれば儲かるという考えは通用しない。何を提供したいかが全て。場所柄とサービスのレベルが合っていること」と話した。同店をビジネスモデルとして同規模サイズでの2店舗目の構想も進めている。

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