行政・業界動向

次の10年は「Well-Beauty」をキーワードに!

コロナ禍で一変した暮らし。その中から見えてきた目指す社会は、これまでも「こうなるだろう」「こうなるべきだ」と考えてきた理想の姿かもしれない。「デジタル化」「一極集中から分散型社会へ」「超スマート社会」「女性の社会進出」「人生100年時代」等々。コロナ禍を経て、新たなグローバル&健康長寿社会に向けたライフスタイル「Well-Beauty」に注目したい。

日本のビューティ&ウエルネスは今どんな価値を提供できるか

理化学研究所 桜田一洋氏

今 年も 9 月 13 日 ~ 15 日、Diet &Beauty Fair2021 が開催された。コロナ禍の中での 2 回目の開催となった。初日のビューティ& ウエルネスサミットの「テクノロジーと感性」(理化学研究所桜田一洋氏)の講演で「テクノロジーは新しい体験を売ること」と説明した。外で音楽を聴く、好きな番組を好きな時に見る、プロ並みの写真・動画を撮る等々。確かに我々は体験に対価を払った。同日に開催した第 7 回「ジャパンメイドビューティ・アワード」トークイベントでは国際商業の長谷川隆氏とアイスタイルの山田メユミ氏との対談で「ジャパンブランドが持つ体験価値」が話題となった。我々はその物を通じて「体験」を買おうとしている。かつて消費者は「物理的価値」や「金銭的価値」で物を選び買ったが、社会が豊かになり沢山の魅力的な商品やサービスが登場し、情報が溢れる中で、どこを見て、何を買おうとするのか。美容、健康分野でも安全性、機能性はもはや当然。専門家たちは、選ばれるために必要な価値は、日本らしさ、地域らしさ、背景、ストーリー、作り手の想いと説くが。我々がいま求める体験価値は何か。

「幸福」「Well-Being」を体験価値に

慶應義塾大学大学院 前野隆司氏

人生 100 年時代、LIFE SHIFT といったワードが話題になった頃から「幸福」や「Well-Being」への考え方に関心が高まっていたが、その傾向はコロナ禍で一層顕著になってきた。確かに自分と向き合い、生き方や人生を考えること、家族と過ごす時間は増えている。「幸せになる街づくり」「幸せになる組織づくり」「幸せになる住空間づくり」に取り組む企業や自治体も登場している。いま「幸福」や「Well-Being」は、商品やサービスが提供する魅力(体験価値)となっている。今回の展示会でも「幸せ」や「ウエルネス」を考える講座は人気だった。初日の慶應義塾大学大学院の前野隆司氏の「美容と幸せ」について。翌日のアンチエイジングネットワークの塩谷信幸氏の「人生 100 年時代の幸福論」、Jウエルネス振興会の「ウエルネスビジネスミーティング」だ。前野氏は著書でも「幸せ」には人との「つながり」と「生きがい」が重要だと述べている。「Well-Being」と、「Happiness」の違いについて、「Well-Being」は一時の喜びでなく、人生のような長いスパンでの幸せを指しているという。お金やモノや地位といった周囲との比較による満足や喜びではない「非地位財」のようなものだと。また、美については、前野氏は、「自分だけでなく、相手を美しくして喜ばせることは自分の幸せにもつながっていく」とし、塩谷氏は「美は人とつながりや、生きがいを生み、幸せと密接に関係する」と語った。
最終日の「ウエルネスビジネスミーティング」では、これからの街づくり、暮らしづくりにおいて、日本の「おもてなしのモノづくり、コトづくり」や、伝統と最先端端テクノロジーが融合する日本独自のウエルネス/ウエルビーイング(J ウエルネス)の視点が重要とした。

DIET&BEAUTY 秋号より抜粋 続きはこちらから

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