コラム

20年の時を経て「美容・健康」は次のステージへ

東京・後楽園に、日本型スパ「スパ ラクーア」が開業したのは2003年5月。「社会人女性が都会の真ん中でリフレッシュを楽しむ」がコンセプトだった。当時は「健康バブル」「空前の癒しブーム」と呼ばれた健康・美容ビジネスの成長期で、各産業は過去最高の売上を更新していた。大手エステティックは全国に店舗を拡げ、メディアは手技を極めたゴッドハンドをとりあげた。大型で複合化したフィットネス施設は全国展開、新ダイエットサプリは次々とヒットを生んだ。「より若く、より美しく」をめざす新サービスや製品が投入され続けた。明るい未来だけを思い描いていた。20年の時を経て今春には「スパ ラクーア」のリニューアル、「テルマー湯西麻布」のオープンが続いた。来年2月には待望の「千客万来豊洲」もオープンする。ホテルも開業ラッシュが続く。東京八重洲の「ブルガリホテル東京」に始まり、秋にはアマンの姉妹ブランド「ジャヌ東京」もオープンする。周辺の産業がにわかに活気づいてきた。まるで2000年初頭の再現を見るよう。人が動き、余暇消費が高まると、レジャー産業の中でもニーズの特に強い美と健康分野は飛躍のチャンスとなる。次の20年、若く美しくだけでないどんな「新しい価値」が生活者の心をとらえていくのだろう。

(「DIET&BEAUTY」初夏号<2023年>抜粋)

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