行政・業界動向

「働く女性」「訪日客」のウエルネスを突破口に【特集 ウエルネス】

ウエルネスビジネスの期待のターゲットに「訪日個人客」と「働く女性層」がある。インバウン ドは2019年比で訪日客数は及ばないものの、消費額が目標額の5兆円を超え「量から質へ」 の重要コンテンツに「ウエルネス」が浮上している。一方、痩せ過ぎ、栄養・運動・睡眠不足が 指摘されてきた「働く女性」は、国の取り組みやフェムテックの話題で市場に動きが出てきた。


「働く女性」の悩み、不安を深掘り

世界のウエルネス産業は、2019 年 4.9 兆ドル(600 兆円規模)だった。その後 の調査でコロナ渦のため 20 年に 4.4 兆 ドルと減少したが、22 年 5.6 兆ドルに回 復した。今後はまた成長を続け 2027 年 には 8.5 兆ドル(約 1200 兆円)規模に 拡大すると予測されている(GWI 調べ)。 ウエルネスニーズ拡大の背景は、1.高齢化  2.環境危機  3.医療システムの限界  4.コロナ禍を契機とした価値観の転換とされている。

日本でも今後拡大する分野として、先 行する「美容・健康・運動」分野を追 うように「ウエルネスツーリズム」、「温泉」、 「スパ」、「ウエルネス不動産」、「職場の ウエルネス」、「メンタルウエルネス」分 野の伸長が期待されている。

働く女性の健康については、そもそも 国内の若年女性の痩せ過ぎや栄養、運 動、睡眠の不足が大きな課題だったが、この数年のフェムケア、フェムテックへの注目が高まり、若年からのケアや妊活期 ~更年期周辺の市場が動き始めている。 メンタルウエルネス、睡眠対策も重要だ。

国では、この 4 月からスタートする「健 康日本 21(第 3 次)」で、対象に「女性の健康」を初めて組み込み女性の健 康診断の項目の見直しをした。厚労省は昨年、働く女性の健康についての初めての実態調査を行い、東京都も実態調査の上、専用 HP を開設した。経産省では「健康経営」の中での女性の健康への取り組み調査を追加し、フェムテック事業への助成も続けている。

「女性のウエルネス」を深掘りしビジネスを強化することで今後、高年齢層や若年層、男性層、家族層へと市場の広がり が期待できる。ストレスフルな都市生活者 をサポートするビジネスもチャンスがある。 アロマやハーブ、茶などの健康・美容商 材やリトリート施設、温泉地へのウエルネ スツーリズム、森林浴、坐禅・マインドウ エルネス、ストレスチェックのウエアラブル デバイスなど。米国では、90 年代から仕事や人間関係、生活などのストレス関連の疾患が増加していると聞くが、日本でも 近年急増し、従事者のメンタルヘルス問 題は企業の経営課題になっている。

「GWI in 福井」の基調講演のため来日したGWI(※ 1)のオフェリア・ヤン氏 の「ウエルネスの定義は難しい。100 人 いれば 100 通りのウエルネスがあるから」 というコメント(詳細記事右頁参照)は、 ウエルネスビジネスにかかわる者にとって は金言だ。いかにパーソナルか、いかに生活者の視点で考えるかがカギになる。そして、取り巻く様々な業態が生活者を 見つめ、まだ顕在にされていない悩みや不安に対して、連携しトータルでより効果のあるサービスを目指すことだろう。あくまで「主役は生活者」なのだ。

求める「希少」「感動」「気づき」体験

ウエルネスが産業として成長を始めた のは 2001 年の 9・11 が契機になったと 言われている。その日を境に、人生や健 康、家族への意識が変わった、自身や家 族の健康に投資するようになったという。 富裕層ターゲットのハイエンドのシティホテ ルやリゾートホテルはその変化に敏感に対応した。「ラグジュアリー」から「ウエル ネス」への転換。それは、誰もができない 「希少体験」、心が動かされる「感動体験」、自分が変わる「気づき体験」の提供。 このことは、他の産業にも影響を与え現 在の巨大なウエルネス産業を形成してい くことになる。いま、日本への旅に関心が 高まり人気を博すのは、「禅」に代表される精神性豊かな日本の伝統文化や歴史、 四季や自然環境が先の 3 つの体験要件 を満たしているからに他ならない。

DIET&BEAUTY新春号抜粋。記事の続きは「読者登録」で読むことができます! ⇒こちらから

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