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余暇市場、2%減の67兆円、フィットネス底打ち、観光も微増

yokashijo.jpg余暇市場の推移

 公益財団法人日本生産性本部は8月、2010年の余暇市場をまとめた「レジャー白書」を発表した。市場全体は昨年度2.1%減の約67 兆円。景気の低迷に加え消費者の節約志向が依然として強く、多くの分野で市場が縮小した。ただ、フィットネスクラブ市場は、底を打ち、わずかながら拡大した。

 レジャー白書は、全国の15歳以上対象に国民の余暇意識、余暇活動への参加実態を毎年調査している。方法はインターネット調査で、今年は3,728人が回答した。余暇市場を「スポーツ」、「趣味・創作」、「娯楽」、「観光」の各部門に大きく分けて市場規模を算出。全体の市場規模は67 兆9,750 億円(前年比2.1%減)となった。


 美容関連では、ニューレジャーとしてエステティック・ホームエステが紹介された。ニューレジャーとは、3年前の08 年調査では登場していなかった、あるいは10 年に参加人口が飛躍的に伸びたレジャーを指す。ホームエステは、08 年の参加人口が710 万人だったのに対し、2011 年度は1,000 万人と40.8%アップした。携帯型の美容機器「モバ美(ビュー)」人気が反映された。
 健康関連では、フィットネスクラブ市場(4,140 億円)が前年比1.2%増となり、ここ数年のマイナス基調から底を打った。既存店では中高年層が増えているが、若年層、なかでも若年女性の減少が続いている。既存店を数多く抱える企業は業績の低迷が著しい、一方で中小のベンチャーは活気があり、カーブスの店舗数は6年間で1,000 店舗を超えた。
 また、ランニングブームもあり、ランニング関連のプログラムや、アウトドアのフィットネスに人気が高まっている。このほかには、施設内の温浴設備では、露天風呂だけでなく、天然温泉や炭酸泉を導入するケースが目立った。さらにクラブが館内で製造する高濃度水素水や海洋深層水を飲む会員も増えているという。
■観光、行楽市場は微増
 観光、行楽市場の市場規模は前年度1.0%のプラスの9兆5,150億円だった。旅館の売り上げは落ち込みが大きく、室数はホテルが旅館を上回った。各種リゾートや旅館再生事業などを手がける「星野リゾート」は、自社基幹ブランドの2 店目「星のや京都」をオープンしたのに続き、平成24 年には竹富島、25 年には富士山麓に出店予定。同社では、これまで運営施設は国内だけだったが、インバウンド獲得に向けた海外でのブランディングのため海外進出に乗り出した。
 また、石川県の老舗旅館「加賀屋」が台湾の「日勝生」との合弁で純日本風旅館「日勝生加賀屋」を台湾・台北市にオープン。畳部屋、露天風呂付の部屋など90 室あり、日本式サービスをそのまま展開、話題を呼んでいる。

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