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特集【梅】「言い伝え」から「エビデンスベース」へ 、脂肪燃焼効果やアレルギー改善効果など新知見も

「1日1粒で医者いらず」「梅は三毒を断つ」など言われるように、梅は古来より日本で「健康に良い食べ物」として親しまれている。代表的な梅の健康食品である「梅肉エキス」は中高年層を中心に、血流改善、免疫細胞活性化、降圧作用などの機能性が認知され堅実な売れ行きをみせている。近年スポーツシーンを中心に疲労回復のイメージが定着した「クエン酸」はジャンルを問わず食品素材として定番化。他にも熱中症対策素材としての「梅塩」の採用も増加しており、市場ではアメやタブレットなどの形状で提案が進んでいる。機能性の研究では、梅に豊富に含まれていることが有名なクエン酸や、梅肉エキスに特有のムメフラール以外にも、「梅バニリン」や「梅リグナン」が注目を浴びている。血流改善効果や抗疲労効果をはじめ、不妊治療効果、アレルギー改善効果、脂肪燃焼効果など、様々な機能性研究が行われており、これらを新たな訴求点とした新製品の開発も期待されている。

■豊富な栄養素を含有する梅和歌山県で全国の6割を
収穫農林水産省の平成29年産果樹生産出荷統計によると、梅は全国で8 万6 千トン収穫されており、そのうち6割にあたる5万3 千トンが和歌山県で生産されている。梅には、ミネラル(カルシウム・鉄・マグネシウムなど)やビタミンA、ビタミンB 1・B 2 など、豊富な栄養素が含まれており、近年では骨粗鬆症予防や老化防止に効果があるとして、メディアでもたびたび取り上げられている。また特に梅のクエン酸含有量は約1.6~ 4 %と、他の果物と比較して高い含有量を誇っている。クエン酸は梅の加工方法によってさらに含有量が増加し、梅1 kgから約20~25 g のみ生産される梅肉エキスでは、クエン酸含有量が50%を超えている。

■シニア層向けの梅肉エキスは堅調
熱中症対策商品での採用も増伸市場では、梅エキス、梅ドリンク、梅酢、梅タブレット、梅エキス含有の粒・カプセル・顆粒など、あらゆる形状で梅の健康食品が提案されてる。なかでも、シニア層を中心に消費者の認知が高い「梅肉エキス」、スポーツシーンや清涼飲料水で定番素材となっている「クエン酸」、熱中症対策素材として提案が進んでいる「梅塩」などが好調だ。一般食品の分野では梅干しが昨年度、猛暑やマスコミの影響により消費者の注目を集め、売れ行きが急伸、「7 月、8 月の売り上げが倍増した」とする企業も。
主要サプライヤーをみると、中野BCでは、健食用途向けに梅エキスや梅エキス粉末を取り扱うほか、今年より「うめ種炭粉末」の取扱いを開始した。栄研商事では健食メーカー向けに「梅エキス(完熟)」や「完熟梅エキスパウダー」を展開。飲料メーカーに向けては塩分含有量を調整することにより、熱中症対策商品にも応用が可能な「低濃縮梅酢」が好調だ。従来であれば廃棄されていた原料を用いて、SDGs(持続可能な開発目標)活動を行う企業もある。ふみこ農園では、従来では廃棄処分されていた梅干しを生産する際に発生する「梅酢」を使用した「梅塩タブレット」を開発。近畿大学と共同開発した同品は今年2 月に「大学SDGsACTION!AWARDS」の準グランプリを受賞した。熱中症対策商品としてOEM生産も行っており、今後はスポーツジムやフィットネスクラブなどへの提案を強化するという。

 

本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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