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特集【健康食品GMP】健食GMP取得企業177社206工場に、GMP取得企業の優位性高まる

日本健康・栄養食品協会(日健栄協)および日本健康食品規格協会(JIHFS)の2団体が運用する健食GMPの取得企業は177社206工場(2020年2月26日現在)。健康食品GMPを取得するには、高度な品管が要求され、維持・継続にも膨大な労力を要する。こうした中、食品衛生法の改正によるHACCPの制度化を受け、健食GMP取得を検討する事業者が増えている。機能性表示食品制度においては、GMP取得工場での製品化に対し、届出の際、資料の省略が可能であるなど効果的に活用されている。また、米国やASEANなどGMPを求める国がある点海外展開にからも重要性が高まっている。

■6月に迫るHACCP制度化

健食GMPへの関心が高まっている。国内で厚労省のガイドラインに沿って健康食品GMPの認定を実施している(公財)日本健康・栄養食品協会(日健栄協)および(社)日本健康食品規格協会(JIHFS)によると、健食GMP取得企業は、日健栄協131社152工場、JIHFS46社54工場の、計177社206工場( 2 月26日現在)。GMP取得には、高度な品管作業を要し、維持・継続にかかる労力も膨大だ。JIHFSによると、「品管にマンパワーが必要となるため、なかなか広がらず、人材不足の影響で、継続・更新を断念するケースもある」とする一方で、「逆に現在、GMP認証を取得している企業は並々ならぬ労力でレベルアップに努め、我が国の健食業界を支えている」としている。

こうした中、今年6月に迫ったHACCP制度化を背景に、全ての食品事業者の衛生管理計画作成が求められることなどもあり、日健栄協には、健食GMP取得についての問い合わせが多くなっている。「中小・零細企業を中心とした相談がひっきりなしにきており、健食を展開するにあたり、健食GMPが必要との認識が高まっている」という。

■共通部分の多いHACCPとGMP

HACCPの主な目的は、現場で有害微生物や有害化学物質、異物などに起因する有害影響を排除し、一般食品としての安全性を確保すること。健食GMP取得企業にとっては、衛生管理マニュアル作成など作業負担が増す懸念材料に。日健栄協では「健食GMPとHACCPは共通部分が多い」点を踏まえ、昨年、健食と原材料の製造業者全般向けと、健康食品GMP認証企業向けの「健食製造におけるHACCP導入手引書」を作成。健康食品で代表的な「錠剤」「顆粒・粉末(濃縮エキス末)剤」「ハードカプセル剤」「ソフトカプセル剤」「液剤」のモデル例を示した。HACCP制度化では、健食GMP取得工場で実践済みの一般衛生管理マニュアルは不要だが、HACCP関連文書の作成は必須となる。日健栄協では、「健食GMPの新規相談が増加する一方、その多くは申請予備の段階で構造設計上、申請に至らないケースが大半を占める」点も課題。また、医薬品系企業と食品系企業で微妙なずれもあることから、新年度から講習会を通じて指導していく。

 

 

■GMP((Good Manufacturing Practice:「適正製造規範」)とは?

GMPは、原料の入庫から製造、出荷にいたる全工程において、製品の安全性と品質を保つよう定められた規則。医薬品の場合、製薬メーカーに義務化され、製品ごとの許認可が要件となっている。健康食品では、サプリメントとして錠剤やカプセルなど医薬品に共通する形状が流通していることから、厚労省は2005年2月1日付けで「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造にかかる基本的考え方(ガイドライン)」を発表。原料の受け入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において、製品の品質と安全性の確保を、業界自らの努力で取り組むよう指導する。国内では(社)日本健康食品規格協会(JIHFS)および(公財)日本健康・栄養食品協会(日健栄協)が2005年より厚労省のガイドラインに沿って認定を実施。

■HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害要因分析重要管理点)とは?

食品事業者の食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の危害要因を分析し、それらを除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保するための衛生管理手法。1993年、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格(コーデックス)委員会が、HACCP適用のためのガイドライン「HACCPの12手順」を発表。その後、国際的に認められた衛生管理手法として、食品衛生の国際基準のひとつとなっている。

 

本記事の続きは「健康産業新聞1687号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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