特集

特集【アーユルヴェーダ】予防・治療中心に世界規模でアーユルヴェーダ産業拡大

■コロナ拡大、伝統医療からの抑制

新型コロナ感染拡大が世界規模で進む中、インド政府AYUSH省と世界保健機構(WHO)は2 月、『アーユルヴェーダ医療における診断及び用語国際閣僚級会議2020』をニューデリーで共同開催、日本
を含む16ヵ国の代表が参加した。WHO国際疾病分類第11版(ICD-11)の伝統医療診断について、その実行や追加項目の策定などを各国に働きかるのが狙い。今後の伝統医療の促進と発展に向け、参加国の意思を表明した『伝統医療の診断データ収集及び分類に関するニューデリー宣言』を採択して閉幕した。インド政府は、アーユルヴェーダを“予防と治療で活用できる比類なき伝統医学の遺産”と位置付け、専門に管轄するAYUSH省を通じて、伝統的な健康管理体系の国際振興に注力。インドでは、ヒマラヤ地方や海岸地域、砂漠、熱帯雨林の生態系において、6,600種類のハーブを確認。健康産業の根幹をなす伝統医学として活用しており、国外向けでは中国やマレーシア、ハンガリーなどと「伝統医療分野における協力」で締結し、国際交流プログラムやセミナー、ワークショップを展開。セルビアやネパール、スリランカ、メキシコなどとも交流が進行している。

■神奈川県と健康寿命促進協力

日本との交流も活発だ。AYUSH省は、『ME-BIO構想(疾病予防)』を促進する神奈川県と2018年10月にヘルスケアやウェルネス部門に関する協力覚書を締結。神奈川県とAYUSH省の共通点を活
かした健康寿命促進協力について一致。昨年12月には、在日インド大使のサンジェイ・クマール・ヴァルマ氏、AYUSH省アーユルヴェーダ科学研究中央評議会局長のK. S.ディマン氏、神奈川県知事の黒岩祐治氏が集い、今後の協力について協議。また、AYUSH省では、専門知識を持つインドの品質評議会(QCI)によるヨガ専門家の自主的な認定制度を立ち上げ、2016年にインド国外で初となるQCI試験を日本で開催。このほか、インド大使館ヴィヴェーカナンダ文化センター初のアーユルヴェーダ定期講座の開講(昨年7 月)や、AYUSH省主催「アーユルヴェーダ&ヨガセミナー」(昨年12月)など
さまざまな活動を行っている。

■インドはアーユルヴェーダでコロナをブロック?

本紙取材に対し、在日インド大使のサンジェイ・クマール・ヴァルマ氏は、「アーユルヴェーダは、副作用のない自然のハーブを伝統医療に活用し、ハーブ医薬品やサプリメントとして摂取することはもとより、ライフスタイルの改善や、ヨガの実践などを組み合わせることで免疫を高め、疾病の原因に働きかける」と語る。新型コロナの世界的拡大に対するアーユルヴェーダの役割については、「インドでは、AYUSH省を中心に、免疫を高める疾病予防の考え方はアーユルヴェーダとして生活に密接に関係しており、日本の約10倍の人口を持つインドの感染者数と比較するとわかりやすい(外務省「国別感染者数の推移(4 月27日現在)」日本1 万3,385人、インド2 万6,917人)」とし、アーユルヴェーダ実践による新型コロナの感染抑制を示唆。また、「神奈川県のMIBIOの考え方は、医療機関ではなく予防的な発想でアーユルヴェーダに似ている」とし、「アーユルヴェーダが世界に幅広く普及するには、各国の自治体や規制当局の支援が必要。人類の歴史を見ても、治療や手術は後から出てきたもの。もともと人間は自然の原料を利用して健康維持に努め、疾患予防を実践してきた」と強調。「今後、医療負担を減らす発想でも、アーユルヴェーダは貢献できる」としている。

本記事の続きは「健康産業新聞1691号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら

■「受託製造企業ガイドブック2017年版」 好評販売中■

受託製造企業ガイドブック2017健康産業新聞a
2012年版を全面改定し、「機能性表示食品への対応」を追加。各社の概要、特色、業況、連絡先がこの一冊に。健康食品・化粧品の製造、各種試験・分析依頼、原料調達などに、ぜひ本書をご活用ください。⇒詳しくはこちら!

 

行政・業界ニュース

企業ニュース

特集

PAGE TOP