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コロナ禍で糖化ストレス過多に 糖化対策、ニューノーマルのエイジングケアへ(特集/抗糖化)

運動不足や食生活の乱れなど、新型コロナウイルスがもたらした影響は糖化ストレスをも高めた。その結果、コロナ禍で老化の促進や疾患リスクが上がり、看過できない深刻な問題になりつつある。糖化ストレスを研究する同志社大学教授の八木雅之氏は「アフターコロナにおける糖化ケアの重要性が一層注目されている」と話す。糖化は現代人が日々の生活を送るなかで常に直面しているリスクであり、健康増進という観点から切っても切り離せない重要なテーマとなりつつある。糖化対策はニューノーマル時代のエイジングケアの切り札となるか、注目が集まる。

コロナ禍で糖化ストレス増加 対策の必要性、より一層に

日本生活習慣病予防協会が昨年発表した「コロナ禍での生活習慣病リスクを探るアンケート調査」によると、医師100人への質問で、人間ドックや健康診断での数値についてHbA1cとBMI、中性脂肪、血糖値が悪化したことがわかった。

いずれも糖化ストレスを原因としたものとみられる項目が上位を占めた。糖化は、タンパクと糖が結合して起きるメイラード反応。糖化によって生成されるのが終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End Products)と呼ばれる数十種類の化合物群。

AGEsには、蛍光性・褐色変化・タンパク同士の架橋形成などの特性があり、この特性がさまざまな病的老化を促進する。

AGEsは皮膚や血中、骨中、脳、毛髪などあらゆる部位に影響を及ぼすことがわかっており、こうした状況が続くと動脈硬化や糖尿病性血管障害、骨粗鬆症、網膜症・腎症などの糖尿病合併症リスクの増加にもつながるとして、生活習慣病対策や健康長寿実現の観点からも糖化対策は非常に重要なポジションに位置付けられている。

コロナ禍によって生活習慣病リスクは拡大傾向にあるが、こうした種々の糖化ストレスの影響と言えそうだ。AGEsはアルコールや脂質代謝物のアルデヒドからも生成されるほか、高温調理した食品中にも含まれており、食事性による糖化ストレスリスクも高い。

睡眠不足によるAGEsの蓄積増加も報告もされており、コロナ禍特有の生活様式が糖化リスク増大に拍車をかけている。こうした影響もあってか、糖化に対する認知は確実に広まっており、現在「糖化ストレス低減」を表示内容に盛り込んだ機能性表示食品は19品に。

「糖化ストレスを軽減することにより肌の潤いを保持する」旨を表示する。いずれも機能性関与成分はロダンテノンB(マンゴスチンエキス)。原料の開発販売を行う日本新薬が独自に行った調査では「30代女性で糖化対策への関心度が高かった」という。

現在同社では新たな研究成果として、血管の硬さが改善することを突き止めた。「マンゴスチンエキスは血管を若々しく保ち、エイジングケアに貢献できる抗糖化素材。今後も研究を重ね、抗糖化の啓発活動を推進していく」としている。

続きは、本紙11月2日発行号(1751号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから

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