特集

【特集①-3】スパ施設 人材教育

将来性ある産業として高まる需要
施術者の資質と職場環境がサービスと相関

ここ数年、日本におけるスパ産業の課題として、優秀な人材確保と育成を挙げる状況が続いている。施設のグレードに見合った総合的なカウンセリング&トリートメント技術と、個客対応力、高いホスピタリティを提供できる人材で、スパセラピストのキャリアビジョンも「最終的にはホテルスパでの勤務」が目標になりつつある。受け入れる側の施設でも運営を他社に丸投げするのではなく、施設全体におけるスパの役割を認識し、自社運営する企業で成果がみえはじめている。また観光資源としてのリゾートスパが隆盛をみる沖縄では、地場の産業として注目し育成する動きが出てきている。
【産官学あげスパ人材教育に着手する沖縄】取材・文:北川 毅さん(琉球大学・法文学部観光学科非常勤講師 YOJO SPA主宰)
 現在、沖縄では北部を中心にリゾートホテルやスパの建設が進み、スパ施設は癒しと健康を求める県外からの利用者を対象とした、長期滞在型・健康保養型観光産業の中核として大いに期待されています。このような沖縄のスパ産業において、現在、最も大きな課題となっているのは、「人材の育成」すなわち「教育」の問題です。そのため、最近の沖縄では、観光産業と結び付いた新たな地場の産業としてスパ産業を発展させるための様々な取り組みが、「産」のみならず「官」や「学」を挙げて行なわれるようになりました。 琉球大学の法文学部観光科学科では、今年10月より「スパ応用健康科学」という科目が設置され、大学としてはおそらく日本で初めてスパに関する教育が開始されました。一方、那覇市でも、厚生労働省が委託する地域雇用創造推進事業の一環として『“琉球エステ・スパ”チムグクル人材育成事業』が開始されました。
【ホテルスパの現状と世界のスパ教育に関する調査報告】㈶日本ホテル教育センター
いま日本では外資系・国内資本のホテルともに新規出店・リニューアル時にスパを併設し、付加価値の高いサービスの提供を目指している。㈶ホテル教育人材教育センターでは、約2年間に亘り、ホテルスパの現状とそれに関連する世界のスパの現状把握と教育機関の研究調査を行ない、3月、「ホテルの付加価値を高めるスパの現状と世界のスパ関連教育機関の調査研究」と題し報告書にまとめた。報告書では、ホテルの付加価値を高める集客機能としての『スパ』の可能性を検討するとともに、その人材教育における方向性を導き出すことを目的に、国内外のスパについて調査が行なわれた。
【滞在型リゾートスパの人材教育】
リゾートトラスト&コンプレックス・ビズ・インターナショナル
ヒューマンスキル向上がサービスの質を高める

全国にリゾート施設やホテルを展開するリゾートトラスト㈱は、3年前より直営施設のスパやエステの人材教育と運営をグループ会社㈱コンプレックス・ビズ・インターナショナルのビューティ&スパ事業部で運営し、注目を集めている。

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