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豆の威力を世界で発見!

スパ生き残り戦争に勝つために(商材選び編) 第2回
取材・文/ライター 大崎百紀
 スパ運営で、避けては通れない商材選び。前号はシュガーや塩、カカオ・コーヒーなど「キッチンにあるもの」を使ってメニューを作る魅力について触れましたが、今号では、日本が世界に誇る商材を探りたいと思います。代表格が「Soy(大豆)」に「Rice(米)」です。


 バンヤンツリー・スパ・ビンタンでは、大豆とミントを使ったヘアケアのメニューや、大豆のスクラブなどがあります。東南アジアに限らず、国際色豊かなスパに行き、「Soy」といえば、大抵通じるものです(余談ですが同じくらい「Tofu(トーフ)」も通じます)。
 最近日本では、天然の大豆からとれたソイキャンドルがブームですから、改めて「大豆」の存在が癒しビジネスでも見直されてゆくことでしょう。また、米を使ったスパ用コスメも海外で注目を浴びています。
 
 イタリアにある「Gerard’s」という会社が展開するスパ・プロフェッショナル用のトリートメントには、大豆を使った痩身メニュー「SoySoy Treatment」や「Bamboo Treatment」、そして興味深いところでは「Tibet Treatment」というのがあります。こちらはヒマラヤの石やヨルダンの死海の塩などが入ったハーブボールを使うミステリアスでパワフルなセラピーなのですが、その他、「Magic Honey」「Chakra Stone Massage」など商材もバラエティ豊か。
 
 しかもネイミングからラインナップまで、どれを見ても楽しく(どれも健康増進目的として開発されたメニューばかり)、さすがはイタリア。もちろんチョコレートの「Chocolat Massage」もあります。暮らすことを楽しむ国民性がスパのメニューにも表れているのです。
 
 対して、日本はどうでしょうか。面白みは欠けるかもしれませんが、日本の伝統ともいえる「糠」。これをおざなりにしてはいけません。
 発酵を利用したメニュー(たとえば酵素風呂)や、緑茶や日本酒を使ったトリートメントなど、これこそ日本が世界に誇るセラピーです。昨年は富士山の麓に、酵素の力でデトックスをする「北斎エンザイムデトックススパ」がオープンしましたが、酵素を使ったセラピーはもっと世界に知れ渡るべきだと思います。
 
 緑茶や大豆のスクラブも、殺菌・美白効果も高いうえに、なじみ深い商材です。日本酒や緑茶をお風呂に入れて、体を温めるのは日本独特のセラピーだと思います。
 
 これは以前取材中に現場で聞いたことですが、自分が生まれ育った場所のものを使うのが、何よりの癒しなのだそうです。
 日本で受けるホットストーントリートメントは米国アリゾナ州の玄武岩を使うのが主流ですが、どんなにその石に癒しの力があるとしても、それと同じもしくはそれ以上の癒しを、日本にある石でできるというのです。同じこと(地産地消)が食品業界でも言えると思います。
 
 遠くのものより近くのもの。そしてキッチンにあるもの。身近なもの。それらにもう一度光を当ててみる。そうすることで、ますます日本のスパ力がアップすると私は信じているのです。

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