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水、泥、温泉セラピー

スパ生き残り戦争に勝つために(商材選び編) 第3回
取材・文/ライター 大崎百紀
 今回は、自然の天然の温泉、鉱泉水、火山泥(ファンゴ)を使ったトリートメントについてお伝えします。実は、この記事が書きたくて今回の連載をお受けしたようなもの。私がこれまでも、いやこれからも評価し続けるであろう泥のパワー。そしてその理由。


 まずは私が評価するイタリア北東部の街「Abano(アバノ)」という保養地として知られる温泉地のスパの魅力をご説明します。このアバノ地域は通年で温泉プール併設のホテルスパが連なっており、美容(美肌、痩身)のためというよりは、関節の痛む高齢者や高血圧に悩む人々などが健康増進目的で訪問し、平均でも2週間、もしくはそれ以上という長期で滞在しているところです。
 温泉療法を受ける前には、医師による診察を受けることが条件で、私もドクター問診、血圧測定、心音聴診などを受けました。カルテには体のどの部分にファンゴを塗布するのか斜線が書かれています。それを基に翌朝5時から15分のファンゴセラピーを体験。
 日本のホテルスパでは考えられない早い時間帯から営業をしているファンゴルームではたくさんのクライアントがそれぞれのルームで、バスローブを羽織り担当セラピストが運んでくる泥のパックのセッティングを待っています。その量、なんと50kg。バケツ2杯分の火山泥。それをたった1回の塗布で使用。
 全身ではなく、医師が決めた部位にその泥が大量に塗られ、布で包まれること、15分。大量に汗が吹き出るものの、胸の上などにはあまり無かったせいか、貧血気味の私でも息苦しさも感じず、併設シャワーブースで体についた泥をセラピストに流してもらった後、ぬるめの温泉水のジャグジーバスに15分程度入浴。
 この一連の30分で、「発汗」「鎮静」を行い、体脂肪率も体重も落ち、朝6時前にしてこの充実度。その後ヘルシーな朝食をとり、一日がスタート。滞在中には、好きなだけホテル内の温泉水のプールに入ることもできます。
 ハマムで体を温め、疲れたらプールサイドで一休み。夜は早めに就寝。こんな日々の繰り返しで、イタリア料理をたくさん食べても不思議と太らず、時々屋外のプールのアクアビクスも楽しかったのか、「楽しみながら」健康になるための施設は、イタリアの温泉エリアならでは。
 アバノ地域には100以上のテルメホテルがあるといわれています。以前ホテル敷地内で熟成中の高温の泥を見せてもらったことがありました。池のようなところで、その泥はブクブクと元気よく熟成しているように見えました。これこそ自然の力です。
 
 よく「世界で一番感動したスパは、どこですか」と聞かれるのですが、世界のどのスパに行っても感動しますが「体が変わった」という点においていえば、やはりイタリアの温泉地のスパはダントツで、そう応えています。
 世界にはもっといい温泉地はいっぱいあるのかもしれません。でも街並みも素朴で人は優しく温かくて、空が青くて、泥が熱い!楽しくて痩せる場所、そんなところなかなかないかな、と思っています。

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