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A smile relaxation

エステティシャン五十嵐ゆう子
★米国エステシャン日記2008 第5回★


 私はエステシャンの仕事をするかたわら、日本から米国へのビジネス視察や、展示会などに参加される方々の通訳をさせて頂いています。
 今回は4月の9日から約10日間、ミシガン州へ出張に出かけました。西海岸のロスアンゼルスやラスベガスでは、気温は25度を超え暖かな陽気だというのに、ミシガン州デトロイト国際空港には、チラチラ粉雪が舞っていました。こういう経験をするたびに、アメリカって本当に広いなと感じます。
 現地時間は朝の6時半、しかし私が飛んできたラスベガスからデトロイトの時差は3時間進んでおり、体は未だ真夜中の3時半です。前日の23時50分に発ち、エコノミークラスの3人がけの真ん中で、殆ど眠れず3 時間40分飛んできました。
 私がお迎えするお客様の到着は午後1時です。レンタカーを借りて、どこかでゆっくり朝食を食べても時間をもてあましてしまいます。そんな事を考えながら再び鏡を見ると、目の下にはクマができ、肌は乾燥し髪も乱れおり、居心地が悪い座席に長時間座っていたため、首と肩全体がパンパンに凝り固まっていました。
 このままではお客様に会うときまでに、いくらお化粧しても疲れを隠すことは出来ないなと感じ、仕事の前に、どこかでシャワーを浴び、できればフェイシャルかマッサージを受けすっきりしたいなと思いました。となると頭に浮かぶのはホテルのスパです。早速何処か空港の近くで、スパを完備したホテルがないかと調べました。
 車で20分のところに、ラスベガスにもあるMGM GRAND HOTELが、昨年の10月にオープンしたらしく、そこのスパへいきたかったのですが、午後まで予約が一杯とのことで、その近くにあるMORTON CITY CASINO HOTEL内の“D” Tour〔まわり道〕SPAに、朝一番である9時からの予約を入れました。
 シャワーを浴び髪も洗って、化粧もしてから又空港まで戻ってこなければならなかったので、そんなにゆっくりもしていられません。
 フェイシャルは予約が一杯だと言われたので、ミニスエディシュマッサージにスカルプマッサージをたして1時間で終わるメニューを特別作ってもらいました。
 電話に出た受付の女性は、そんなわがままを言う私の申し出を、快く受けてくれました。時計をみるともう7時30分でした。私は朝食を諦め、空港でバナナと水を買って、レンタカーを借りてからスパへと向かいました。
 ホテルは少し古さを感じましたが、ロビーから地下のスパへ降りると、上品で清潔なフロントが目に入りました。何より心を癒してくれたのは、受付の女性が満面の笑みを浮かべて、「デトアーズへようこそ、ミセス五十嵐。空港へ着かれたばかりでお疲れでしょう。ここで十分にリフレッシュされて下さい。」と言っ
てくれた事です。
 あー心からの笑顔って本当にどんなビタミンを飲むより元気にしてくれるのだなと感じました。
 その後、私に付き添うアテンダントの女性が、簡単なスパ内部の案内をし、ロッカーへと連れて行ってくれました。彼女は、そっと私に歯磨きを手渡してくれ、「何時に空港にお戻りですか?」と尋ね、1時には戻りたいと伝えると、「ではそれに間に合うようにお声をかけますね。」と言ってくれました。
 私を担当したセラピストの黒人女性も、笑顔が美しい方でした。そして体と頭皮の丁寧なマッサージを受けた私は、ジャグジーに入り、レインドロップと呼ばれる暖かなシャワーを大理石のテーブルに横たわってゆっくり浴びると、たちまちたウトウトと眠ってしまい、そこへタイムング良く、アテンダントの女性が訪れて、「11時過ぎですよ。今からご用意されれば12時には空港へ向かえます。」と声をかけてくれました。
 スパの受付を出ると、疲れは吹き飛び、お化粧のノリも抜群で、受付の女性、スパアテンダントとセラピストの、3人の暖かな笑顔に見送られて、一時の至福の時間を味わった私は、リフッレシュして仕事に向かいました。

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