コラム

美容ビジネスも「人生100年時代」へ

9月に開催されたダイエット&ビューティーフェアの人気プログラムに「アンチエイジング最前線」がある。講演者のアンチエイジングネットワークの塩谷信幸先生(※1)との事前打ち合わせで、今回のテーマを「人生100年時代の美」でお願いした。会場は今年も満員で、お話は「見た目のアンチエイジング」からスタートした。見た目を整えると、心も若返り、それが行動にも現れる。その意味で皮膚、容貌、体型といった「若さの美」は重要。「若さの美」は「心の美」を生み、そして、「心の若さ」がまた「美」を生み出し「幸せ」へ繋がっていく。だからアンチエイジングはある時期から心の領域が増していくと話した。確かに、情報化の進んだ成熟社会では、飽くなき若さの探求をする者も居れば、昨今話題のグレイヘアーのように歳を重ねる中に美を見出す者も居るだろう。多様で細分化されたライフスタイルの数だけ美のカタチがあり、それに応えるサービスもある。つまり、答えは個々の心の中なのかもしれない。塩谷先生が、「詩魂」「詩的な心の持ち方」が大切と言った画家シャガールのエピソードを紹介したのは、「心の若さを保つ」には、自身が何かにワクワクし夢中になるだけでなく、他者の価値観も大事にするデリカシーやエチケットを持つことを指しているのだろう。正に「人生100年時代の美」の姿を垣間見た思いがした。

※1 塩谷信幸 北里大学名誉教授、NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長

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