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【特集】水素―市場規模、2年連続縮小の183億円

本紙調査で2018年の水素商材の市場規模は、前年比2割ダウンの183億円となり、2年連続の縮小となった。国内市場では、メーカー間での明暗がはっきり分かれた1年に。商材のカテゴリー別に上位数社による独占傾向も見られ、多くの企業が市場から撤退している。一方で、半数の企業が「販売状況が回復傾向にある」と回答、底打ち感を示している。また医療機関やスポーツ関連、美容室など水素商材にとって相性が良く、有力な販路も見えてきた。さらに中国をはじめ、海外市場の本格開花を受け、8割の企業が海外輸出を展開。2019年に向けて明るい材料も見られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■カテゴリー別に寡占化傾向見られる
本紙はこのほど、水素商材のメーカー約100社を対象に訪問取材およびアンケート調査を実施。回答を得た40社の売上高を合算した2018年の水素商材の市場規模は182億9,200万円となり、前年比18.8%減と2 年連続のマイナスで、市場は厳しい現状にあることがわかった。なお日本トリムやコロナ工業、パナソニックなどが電解水素水整水器として展開する「アルカリイオン整水器」を加えた市場規模は400億円前後と推計される。

今回の取材からは、水素商材の市場で大きく2 つの傾向が読み取れた。1 つ目は、メーカー間での明暗がはっきりと出始めている点。調査結果でも2 ケタ増収を達成する企業が見られる一方、2 ケタ減収となった企業も少なくなかった。特に容器入り水素水などネガティブキャンペーンの影響から未だ回復できていないアイテム、通販や店頭販売などオープンマーケットで展開してきたメーカーに減収が多く見られた。2 つ目は、市場の寡占化が進んでいる点。水素水生成器や自販機型水素水サーバーをはじめ、概ね全てのカテゴリーにおいて上位数社による市場の独占傾向が見られ、専業の先行メーカーに分があることもわかった。このため、ここ数年の水素ブームに便乗して市場参入した企業の多くが市場から撤退。ある意味で市場は落ち着きを見せ始めたといえる。

一方、市場に登場して日が浅い水素ガス吸入器などは、今のところシェアが突出したメーカーもなく、新規参入が活発だ。なかでも2016年に厚生労働省の先進医療Bに水素ガス吸入療法が承認されたことを機に、業界での期待感が増したことが、参入企業の増加に繋がっている。来年1 月23日開幕の「健康博覧会2019」「FOODDESIGN EXPO 2019」でも、約40社の水素商材出展社の内、水素ガス吸入器の出展社が3 分の1 を占める。水素ガス吸入器は…

ウェブでは一部を公開。記事は「健康産業新聞 1656号」に掲載しています。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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