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特集 【水素】市 場 規 模 、前 年 比 4.5 % 増 の191 億 円 !

本紙調査で、2019年の水素商材の市場規模は、前年比4.5%増の191億円となった。3年ぶりの市場好転に貢献したのは、水素ガス吸入器や水素ヘアトリートメントなど新しいアイテムの伸長。これら水素商材のバリエーション拡大をはじめ、用途開発や新規販路開拓、水素ニーズの高い市場へのピンポイント営業も奏功した。2020年の経営見通しについては7割が「良くなる」と回答。今回の取材では、水素水および水素水関連商材メーカーの売上高にも下げ止まりが見られており、来期には本格的な市場復活が期待できそうだ。

■商品バリエーション拡大が追い風に
本紙では、水素商材の主要メーカーを対象に訪問取材およびアンケート調査を実施。回答を得た30社の売上高を合算した結果、2019年の水素商材の市場規模は191億1,514万円(前年比4.5%増)となり、僅かながら3 年ぶりに市場は上昇に転じた。なお日本トリムやパナソニック、コロ
ナ工業などが電解水素水整水器として展開する「アルカリイオン整水器」を加えた市場規模は300億円前後と推計される。

今年の水素商材市場を見ると、水素ガス吸入器や、水素ヘアトリートメント、水素フェイスマスク、水素入浴料など化粧品分野の売上が伸長した。なかでも水素ヘアトリートメントは、人気タレントが出演するTV番組で紹介されたことを機に注目が集まり、導入する美容室が急増。水素発生原料メーカーには、類似品の開発を目的とした原料の引き合いやOEM案件が殺到した。

化粧品用途に対応する原料メーカーは増収を達成した。一方、水素ガス吸入器は統合医療を実践するクリニックへの導入や、水素水のコアユーザーでもあるアスリートに普及が進んでいる。多くのメーカーがプロアマ問わず、スポーツチームや大学の体育会系クラブとスポンサー契約を結び、選手のサポート展開。

さらに今年は、有名芸能人がTV番組で水素ガス吸入器を使用していることを話すなどメディア露出も多く、水素ガス吸入器の伸長に貢献した。実際、水素商材の売上高別シェアで、水素ガス吸入器のシェアは前年比で倍増している。これらは3 年前の水素水ブーム時には、まだアイテム数や売上が少なかった新しい水素商材で、こうした商材のバリエーション拡大が市場の底上げに追い風となっている。

■用途開発・新規販路で成長企業も
用途開発で成功する企業も見られる。フラックスでは今年5 月、歯周病菌の予防などに有効なデータを持つ水素水の働きで、口腔ケア内を健康に保つトータルオーラルケア製品『ティータイム』を上市。発売に合わせて東幹久氏をイメージキャラクターに起用したTVCMを全国で一定期間放映後、全国の家電量販店および、歯科医ルートで展開している。現在は、歯科医院ルートでの売行きが、予想を上回るペースで伸長しているという。

また、新たな販路開拓で成功しているのが、日本トリムやドクターズ・マンなど。「健康経営」を実践する企業に対し、従業員の福利厚生の一環として、事務所や社員食堂などに電解水素水整水器や、水素水サーバー、水素給茶機の設置する事業が順調に推移している。

ほかにも、各メーカーや販売会社が、水素商材の導入に積極的な医療機関や治療院、フィットネスクラブ・ジムやヨガ施設、美容室、ペット市場―― などへのピンポイントでの営業展開が奏功していることがうかがえた。

■アジア中心に輸出も伸長
国内市場は今後、ニッチ市場を創出し、そこで堅実にシェアを拡大していく販売方法が求められる一方、海外市場での展開も無視はできない。ここ数年、アジア諸国を中心に、中東や欧米などでも水素商材の需要が拡大。

今回の取材では、海外輸出実績がある企業は73%に上り、輸出先としては中国が断トツのトップで、マレーシア、台湾、香港、ベトナムなどが続いている。総売上高の内、輸出の占める割合は、2~ 5 %との回答が最も多かったが、中には50%や65%との回答も。

海外市場で先行しているのは、中国の有力販売企業にサプリメントを供給するTAANE、中国市場で「江田水素」ブランドとして認知度の高いジームスなど。TAANEは今年から米国の大手受託メーカ
ーに水素原料の供給もスタートしている。

 

本記事の続きは「健康産業新聞 1680号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

 

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