スパ生き残り戦争に勝つために(商材選び編)第1回
シュガーセラピーで甘い体験 取材・文/ライター 大崎百紀
今号からスパの極意として、「商材選びこそスパ生き残り戦争に勝ち抜くための鍵」であることに着目し、4回連載で国内外のスパ内の化粧品のトレンドや、ちょっと変わったセラピーを紹介していきたいと思います。お付き合いください。
さて、イタリアの田舎町の小さなスパで、チョコレートクリームを全身に塗布された4年前。まさか日本にこんなに早くカカオブームが上陸するとは思いもしませんでした。
日本のスパやエステティックサロンは、着実に、確実に、これまで足りないとされてきた「エンターテインメント性(話題性)」「意外性」「希少性」に重点を置いたサービスを提供していると思います。
沖縄に行けばウコン、山梨に行けばブドウや桃を使った、いわゆる「ご当地スパ」が登場。そして、アロエ、蜂蜜、緑茶、抹茶、ミルク、コーヒー、セサミにナッツにオリーブオイル…といったキッチンにあるものが多く登場。口にしても安全なものを肌に塗布する安心感。これが自然なものであれば最高です。
「ハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパ」内の「スパIZUMI」では、07年11月から、100%オーガニックのブルーベリーの種から抽出した、オリジナルのバージンシードオイルを使った「フルテラピーマッサージ」を始めています。オーガニックブルーベリー10万粒から100ccしか抽出できないという稀少なオイルは、必須脂肪酸やビタミンEを多く含むため、抗酸化力が高く、スパの人気メニューとなっています。持続的な仕入れが気になるところですが(このオイルは、海外輸入しているそう)、今後、こういった問題こそ、オーガニックコスメを仕入れる場合の一番の課題となるかと思います。
数年前、これもまたイタリアですが、「シュガーセラピー」なるものを体験しました。発酵食品であるヨーグルトと砂糖を組み合わせたボディのメニューを生み出したその発想力と、ユニークさは評価すべきです。「新鮮さが勝負」だという、まさに作りたてのヨーグルトのクリーム状を全身にパックされた時は、意外なほど幸せな気持ちになったものです。しかも拭き取り後の脚はすべすべ。塩で肌のざらつきが取れるのは分かるのですが、驚きました、砂糖とヨーグルトの組み合わせ。
ところで印象的だったのは、デモをしてくれた女性の輝かしい目つきとその熱意。こんな人が作ったものだからこそ、受けてみたい!と思わせるものがありました。スパ商材って、そもそもそうあるべきだと思っていますので、私は「スパ力=商品力」の構図を持って、スパ選び/評価をしています。
また、ハワイでは産地のコナ・コーヒーを使ったスクラブがロミロミと並んで人気です。やはりスパは非日常的な場所。「へぇ」「面白い」と思わせることがポイント。そしてやはり結果も出さなくてはなりません。使用する商材が単なる話題性だけのものではないことを証明するのも大事かと思います。
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シュガーセラピーで甘い体験
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