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筋力維持やダイエット、メンタルケアまで コロナ禍のニーズをキャッチした提案加速(特集/アミノ酸)

スポーツ実施率が統計以来過去最高の約6 割に達した(スポーツ庁調べ)。コロナ禍による外出機会の減少や運動不足などを背景に、ドラッグストアなどの店頭ではバリン・ロイシン・イソロイシンをはじめ、EAA、HMB、アルギニンを配合した商品が好調に推移している。機能性研究では、脱水症予防やメンタルケアに関する新たな知見も報告された。サプライヤーサイドでは今後の需要増を睨み、汎用性を高めた原料や機能性を向上させたプレミックス原料の提案を強化している。

スポーツ実施率は約6割(令和2年度) 統計開始以来、過去最高に

スポーツ庁は2 月、「令和2 年度スポーツの実施状況等に関する世論調査」を発表、成人の週1 日以上のスポーツ実施率は1979年度の調査開始以来最高となる59.9%を記録した。全ての年代層で前年度を上回っており、女性は20 ~ 40代で10ポイント程度、男性では30代で約10ポイント増加した。

スポーツ実施の頻度が増えた理由について、「コロナウイルス感染症対策による日常生活の変化」(36.4%)、「仕事が忙しくなくなったから」(27.0%)「運動・スポーツが好きになったから」(16.4%)など。運動・スポーツを行った理由のトップは「健康のため」が全体の約8 割(79.6%)に。以下、「体力増進・維持のため」(57.7%)、「運動不足を感じるから」(53.7%)と続いた。

コロナ禍における筋力維持やダイエット、スポーツ人口増加を背景に、アミノ酸やプロテイン関連の需要も高まっている。ドラッグストアなどの店頭では、運動・スポーツ訴求の商品の売れ行きも活発化。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が先ごろ報告した2020年度実態調査によると、外出自粛やテレワークの推進に伴う“コロナ太り”対策のダイエット関連や、運動不足解消のためのプロテインなどが好調に推移したという。

各店における健食の売れ筋をみると、ツルハホールディングスでは「プロテインバー」(森永製菓)がランクイン、コスモ薬品は、『アミノ酸クエン酸ゴールド』(PB)、サンドラッグでは『ウイダープロテイン効果』(森永製菓)、マツモトキヨシホールディングスは『ザバスホエイプロテイン』(明治)などが好調だった。

ザバスシリーズを展開する明治によると、2020年のプロテイン市場は約770億円(見込み)。「5 年前と比較して3 倍以上に伸長した」という。外出機会の減少や運動不足などを背景に、ボディメイクやトレーニングをする人が増えたと分析している。

今年の引き合い状況について、本紙が主要サプライヤーに聞き取り調査を行ったところ、「バリン・ロイシン・イソロイシンが伸長傾向にある」「EAAとHMBは前年比増で推移した」「シトルリンとオルニチンの供給量が多かった」「β−アラニンはプロテインミックスでの採用が多い」「アルギニンはエナジードリンクの素材として好調」との声が聞かれた。

5―ALA、「メンタルケア」訴求も

マーケティングリサーチ事業を行うクロスマーケティングが発表した「新型コロナウイルス生活影響度調査(健康編)」によると、コロナ前より悪化した精神面の変化は、「日々の充実感・意欲、やる気」(32%)、「メンタル不調、鬱々とした気分」(31%)、「感情の起伏や気分の安定感」(26%)、「寂しさ、孤独感」(25%)など。長引くコロナ禍は精神面の変化ももたらしたといえる。

こうしたなか、メンタルケアに着目した機能性表示食品も開発されている。5−ALA(5−アミノレブリン酸リン酸塩)を利用した健康食品や化粧品を手掛けるSBIアラプロモ㈱(東京都港区)は7 月、「アラプラス メンタルケア」を発売した。

1 カプセルあたり50㎎の5−ALAを配合した機能性表示食品。ハワイ大学が実施したメンタルに関するヒト試験では…

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