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食安委、「現代の日本に健食は必要なし」 機能性表示にも疑問

 食品安全委員会は1月28日、健康食品について一般消費者向けの説明会を行い、約140人が参加した。昨年12月に公表した報告書に基づいて、同委員会事務局評価情報分析官の池田三恵氏が、「健康食品について安全な選択をするために」と題したプレゼンを実施。「現代の日本では、通常の食事をしていればビタミン・ミネラルの欠乏症が問題となることはまれであり、ビタミン・ミネラルをサプリメントで補給する必要性を示すデータは今のところない」とした。


 成分がそのまま摂取できるサプリ形状の健康食品については、「逆に過剰摂取が健康被害をもたらす危険がある」とし、厚生労働省が定める栄養摂取基準は「あくまで栄養指導のためであり、個人が毎日の目標とするべきものではない」と説明。さらに健康食品の「品質の管理は製造者任せ」として、製造者の自主性に任せられているとし注意を喚起した。
 質疑応答では、会場から様々な質問が飛び出した。「『体調が悪くなったときは、(サプリを)摂るのを中止してください』とはどういうことか」との質問に対し、報告書をまとめた検討ワーキンググループ座長の脇昌子氏は、「体調悪化には様々な原因が考えられるが、そのなかでも疑わしいものは取り除くべき」との考えを示した。また「内科医などでもサプリを活用しているところもあるが」との質問に対して同氏は、「個人の判断による摂取と医師の責任と判断によるものとは話が別」と回答。逆に医薬品との併用が危険であるサプリもあることに言及した。
 「 2 兆円に迫る健食市場があり、それだけの価値を見出す人がいるのも事実」などといった声に対して脇氏は、「個人の幸せ感はそれぞれであり、一定の安心感をもつのであればそれは健康食品の役割であると考えている」とも発言。
 食安委事務局長の姫田尚氏は、「今回の報告書はあくまで健康食品の安全性についてであって、有効性についてではない」としているが、今回の説明会では「安全性、品質、有効性などいずれの点でもわかっていないまま販売されているものが少なくない」など、有効性そのものを否定するような説明も目立った。さらに質疑応答のなかで姫田氏は「(三ケ日みかんの)機能性はたいしたことないと思う」などとも発言。食安委側は、「あくまでも科学的見地からの提言を行っている」としているが、科学的検証の情報が恣意的に選択されている感も否めなかった。
 会場からは「普通の食事をしていればサプリの必要はない、と言うが、夜討ち朝駆けを強いられる会社員など、ストレス社会のなかで果たして普通の食事が可能なのか」といった意見もみられた。食安委側は、「食育などの教育活動については文科省などとの縦割りの問題もある」と述べ、東京都の保健関係教員らと行っている勉強会などを紹介、「都の取り組みが地方にも広がることを期待する」とした。
 食安委は次年度、今回の報告書の増刷を含めた啓発活動により一層取り組んでいくとしている。

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