統合医療

日本発の技術「マイクロバブル」でNYに進出 美容から介護への応用目指す

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 日本発の技術として様々な分野での応用が進む「マイクロバブル」。ペット業界の名門として知られるターレスが今回、その人間への応用の第一歩として、ニューヨークの高級ヘアサロン「ピエール・ミシェル(Pierre Michel)に進出した。4月の導入以来、NYでも話題になっており、すでに反応は上々という。特許戦略をはじめ、初めから世界を視野に準備を進めてきたターレスの藤川進氏(代表取締役)に、その現状と見通しをうかがった。


-今回NYに進出されましたが、その理由は?
 NYのヘアサロンに行った最大の理由は、ドレッドヘアやエクステンションなどといった複雑に編み込まれた髪形を、我々の技術を使えば、髪形をほどくことなく、そのままで髪の毛も頭皮も洗浄できるということで、技術を一番生かせる場所だと考えたからだ。
-現在、NY進出から2か月ほどだが、反響は?
 かなり大きな反響があり、ヘアサロン側も応じきれない状況だと聞いている。米国では新しいものに対する好奇心が非常に高く、まずは体験してみようというところから、体験してもらった人からは「エクセレント!素晴らしい」という評価を多くいただいている。そこから口コミで情報が広がっている。
-「マイクロバブル」という日本発の技術が、米国進出を果たしたことは大きいと思うが。
 「マイクロバブル」は技術としては古くから知られていたが、それをどのように応用するか、というのは未知の分野だったといえる。我々は洗浄技術に特化してマイクロバブルを使いたいということで長年研究を進めてきた。そしてまずは動物たちでスタートした。
 動物でスタートした理由は、皮膚病で苦しむ多くの犬たちを見たことや、動物で大丈夫であれば、次は人間に応用できると考えたからだ。動物の分野では大きな反響があったため、さらに研究を進め、人間のヘアケアから人体洗浄まで技術を広げていこうと考えた。
-人間に応用した最大の目標は?
 介護の現場に行くと寝たきりのお年寄りがたくさんおられる。そうすると日々の楽しみも限られてしまう。我々としてはそこで、ベッドに寝たまま髪をクリーニングしてあげられる、すっきりしてもらえる、そういう気持ちよさをぜひ提供したかった。
 介護をしている人たちの負担を少しでも減らして、介護を受ける側も気持ちよくなってほしい、そういう望みがあったので、その第一歩として、まずはファッションの発信地であるNYでトライできるというのは、非常に大きなチャンスだった。
-特許戦略も非常に重視されているようだが。
 重視している。我々は日本の会社として、矜持、プライドを持っている。技術を世界に広げることで、困っている人を助けることは、そのまま日本人の評価につながることだと思っている。技術を日本発のものだと証明するためには、やはり特許を取っていくしかない。
 新しい発明であり、技術であるということの立証は、特許をとることでしかできない。そういうことで特許戦略を推し進めてきた。
 まずは米国で特許を取り、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパと広げ、西欧先進国に我々の技術を持っていきたかったということがある。ヨーロッパの人たちにも、北米の人たちにも、「日本ってすごいね」と評価してほしい、それが最大の動機だ。
-今後、米国から日本への逆輸入も考えられる?
 日本ではすでに動物病院やグルーミングの世界でかなり知られており、顧客も1000件を超えている。ただ、人間のヘアケア、美容というところでは、緒に就いたばかり。今度はこのマーケットを開拓していきたいと考えている。

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