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【オーラルヘルスケア】医家向けルートは好調、一般市場もジワリ…

オーラルヘルス商材市場は夜明け前!?――。今回の取材・調査では、オーラルヘルスを訴求するサプリメントや歯磨き剤、関連商材のバリエーション拡大が見られた。機能性表示食品も1年で10品増加した。また、歯科医や獣医ルートでの販売が伸びているアイテムは少なくなく、一般市場でも口臭ケア製品の売れ行きは順調だった。政府が数年前に打ち出した2025年からの「国民皆歯科健診制度」は、まだ実現していないものの、超高齢社会のわが国で、健康寿命延伸を実現する上でもオーラルヘルス対策が大きな課題であることは間違いない。何らかのトリガーで市場が一気にブレイクする気配は漂っている。

健康寿命延伸に、オーラルフレイル対策が喫緊の課題に

う蝕(虫歯)と歯周病の口腔2大疾患が、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞をはじめ、脳梗塞、誤嚥性肺炎、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドβを増やすことなどが明らかにされている。虫歯菌や歯周病菌が口腔内で炎症を起こし、その炎症性物質が歯周ポケットから血液内に入り込み、全身を回ることが要因とされる。最近では、歯周病菌の一部が胃を通過して腸管に入り込み、腸管内の細菌叢を乱すことで、大腸がんの原因になること、がんの転移を促進すること、さらには食道がんや関節リウマチなどの病態とも関連しているとのデータも報告されている。深刻なことに、わが国の成人の約8割が歯周病およびその予備群と言われている。
 厚生労働省の発表した令和5年の患者調査では、3年前の調査より300万人弱増加の1,100万人以上が、歯周病菌治療を行っていることが示された。さらに、総人口における65歳以上人口が29.3%と過去最高を記録する超高齢社会のわが国では、高齢者のオーラルフレイル(口腔機能低下症)を予防・抑制することも、喫緊の課題とされている。オーラルフレイルは、フレイル(虚弱)の一丁目一番地と言われる。例えば、歯を失うことで食事からの十分な栄養素を取り込むことができない、また滑舌が悪くなり、人との会話などコミュニケーションを避けるなど、フレイルの要素になり得る。

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