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【夏季特別座談会】機能性表示食品、1兆円市場は可能か -産官学の有識者に聞く課題と展望-

機能性表示食品の届出公表件数が特保許可数を上回った。糖質・糖類が追加され商機が拡大するなど、明るい材料もある。しかし本紙が行った健康食品受託企業調査では、制度を「評価する」と答えた企業は、前年同期の40%から23%に急落した。健食受託企業は、サプリ剤型の機能性表示食品の9割強を製造。その現場から、「手間ばかりかかる」といった声が漏れ聞こえてきた。3.28ガイドライン改正、アレルギーや尿酸など「軽症者データ」検証事業、規制改革実施計画に盛り込まれた「食薬区分の運用見直し」―― 産学官の有識者を迎え、現在進行形で変化を続ける機能性表示食品制度の課題と展望を聞いた。(座談会収録日:2018年6月18日)

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出席者 左から、赤﨑暢彦 氏(消費者庁食品表示企画課課長)、宗林さおり 氏(独立行政法人国民生活センター理事)、寺本祐之 氏((株)ファンケル総合研究所 機能性食品研究所所長)、西村栄作 氏(森永製菓(株)研究所 研究開発戦略部官能・機能性評価グループマネジャー、健康食品産業協議会ガイドライン分科会長)、森下竜一 氏(規制改革推進会議委員、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座教授)

■制度は90点

―― まずは3月28日のガイドライン改正についてお願いします

赤﨑 昨年6月9日に閣議決定した規制改革実施計画等に基づき改正を行いました。内容は大きく3つに分けられます。

1つ目は機能性表示食品制度の運用改善です。まず届出資料の入力項目数を約30%削減しました。また、届出確認事務について、事業者団体の事前確認を得た場合、その旨を届出資料に書いていただくこととし、そうした前さばきが終わった届出は、そのような前提で確認ができるようにしました。更に、公表済みの届出食品と同一性を失わない程度の変更である旨を届出できる制度を設けました。すでに公表されている届出食品と機能性関与成分の量は変わらず、風味のみが異なるといった場合、従前は届出公表済みの食品との異同がわかりませんでしたが、今後はここは同じでここだけが違うというのがわかりますから、メリハリの利いた確認ができます。

その他、生鮮食品については、今回のガイドライン改正と同じタイミングでQ&Aを拡充しています。加えて1日摂取目安量の50%の摂取でも構わないという運用の見直しも行いました。これらにより、届出確認の効率化や迅速化に資することとなると考えています。

2つ目は対象成分の拡大です。糖質・糖類は3月28日より届出ができるようになりました。エキスについては届出データベースの改修が必要であり、今年度後半、又は来年度初めを目途に届出可能になると見込んでいます。3つ目が……

ウェブでは一部を公開しています。全文は「健康産業新聞」紙面(1647号 別冊)で

■結局、「エキス」とは何か?

―― エキス類の追加について、たとえばクロレラはどうなりますか

寺本 糖質糖類は最初から制度に入れるべきでした。植物エキスは誤解もあり“作用機序が不明確なもの”というのが議論の始まりです。作用機序が明確なものをエキスにする必要はないと思います。どう効いているのかが1つの成分だけだと説明がつかないような、複数の作用機序を持っているものは、エキスに分類すべきです。

西村 今年3月末のガイドライン改正では、健康食品産業協議会のガイドライン分科会の分科会長として消費者庁とやりとりをさせていただきました。最終的には、エキスは実際に届け出るものがあるかないかという議論になりました。やはりテストランの形の事前検証が望ましいとなりましたが、時間切れで手を挙げる企業がなかなかありませんでした。ガイドライン施行後、現実味を持たせられるようなテストランをして、例えばQ&Aに落とし込む等のガイドラインに足りない部分があればそれを埋めていくと言う作業ができるかなという感じはあります。その辺はぜひとも消費者庁と協力をさせていただいて、改正されたガイドラインを見てやる気のある企業が名乗りをあげていただきたいなと。

―― 企業に手を挙げてみたらどうかと言うことですけれど、じゃあどれがエキスになるのかと

宗林 確認したいのですが、例えばイチョウ葉エキスは、ドイツでは医薬品として扱われてますが、原材料のイチョウ葉自体、抽出等の製造工程、アレルギーを起こすとされるギンコール酸の除去など、エキスとして品質管理をしています。それは日本でももう届出がありますよね。

赤﨑 イチョウ葉の例で言いますと、テルペンラクトンやフラボノイド配糖体など成分が特定され、その成分が一定量入っていることにより、健康の維持増進に役立つというエビデンスがあれば、「イチョウ葉エキス」という形でなく、機能性関与成分が明らかなものとして届出していただいても構いません。それが基本だと思っています。ただ先ほど寺本さんが言われたように、機能性関与成分が明らかでなく、商品全体としてみると一定の健康の維持増進に役立つことは認められるけれども、どの成分に由来するのかが明確でない例外的な場合は、今回のエキスの中で対応いただくこととなると考えています。

宗林 エキスの場合、ドイツの例を出しましたが製造時に何箇所でも品質管理をチェックされることが非常に大切だと思います。

赤﨑 仰るとおりですが、同等性の確認も重要と考えています。エビデンスとして示されたエキスと実際に売られているものが同じかどうかということがまさに問われます。品質管理イコール同等性の問題です。

森下 SRだとそれが同一かどうかという証明は非常に……

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