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ZOOM UP【食品分析検査】HACCP制 度 化 へ アレルゲン管理も

今、「食品分析検査」の需要が多方面から高まっている。食品表示法による「栄養成分表示の義務化」が3月末で経過措置期間を終え、新たな食品表示への対応が必須となった。また6月1日には「HACCPに沿った衛生管理の制度化」が施行となる。原則全ての食品等事業者が対象となり衛生管理計画に沿った管理が求められるため、検査と併せてリスクの予見や手順書の作成はじめ、コンサルティングの需要も高まっている。また「アレルゲンフリー」商品が注目され、遺伝子検査を駆使した網羅的な分析が行われるようになった。品質管理の意識が高まるなか微生物検査、カビ毒、異物検査まで、食品分析試験機関の存在感が増している。

■新表示制度開始「強調表示」の需要も高まる

食品表示法による「栄養成分表示」が3月末で経過措置期間を終え、新表示への対応が必須となった。かけこみの検査依頼のピークが各試験機関であったが、義務化後も依頼が高止まりしている試験機関も多い。「低糖質」「低GI」ブームから、食物繊維の検査依頼が増えているという例がみられた。新表示に適合した形でビタミンやミネラル類の強化、カロリーハーフといった「強調表示」をしたいという相談を企業から受ける例が増えているという。さらに、新型コロナウイルスが流行し免疫活性への期待が高まることを背景に乳酸菌関連の依頼が増加しているという試験機関が目立った。他分野から乳酸菌食品に参入するメーカーから、乳酸菌の機能性表示向けに生菌、死菌体双方で検査依頼が増えているという。

■機能性表示食品向けでは食物せんい、HMBの分析依頼増加

機能性表示食品向けの分析では、食物繊維(難消化性デキストリン等)、ポリフェノールのほか、軽運動への意識が高まるなかHMBの分析依頼が増えているという声があった。消費者庁では制度導入から毎年、「買上調査」を実施。届出資料に記載されている方法で検査し、含有量が表示値を下回った場合は、委託事業者は消費者庁に報告することになっているため、事業者はより信頼できる試験機関に定期的に依頼する傾向がある。2019年3 月29日から「エキス類」を機能性関与成分とする届出受付が始まったが、分析方法は妥当性が検証されている必要があり、さらに査読付き論文や公定法など客観的な評価が行われたものが望ましいとの方針がガイドラインで示されている。原材料の定性試験・定量試験の方法も資料として添付する必要があるためハードルは高い。4月初旬現在、販売しているのものは3 品のみだが、今後大手メーカー等をさきがけに事例が積み重なれば、届出が大幅に伸びる可能性もある。

■HACCP制度化で衛生管理への認識高まる コンサルやセミナー事業伸長

6 月1 日からのHACCP制度化に向けて、この機会に導入を進めるとくに中小のメーカーでは対応がピークとなっている。原則全ての食品の製造・加工等を行う企業が対象となり、各企業は衛生管理計画を作成する必要がある。「健康食品」についての衛生管理計画作成にあたっては、日健栄協が作成し厚労省の有識者検討会が確認した手引書が厚労省ホームページで公表され参考にすることができるが、とくに初めての企業には、コンサルの必要性が高まっている。分析試験機関が、工場の各工程のリスク分析や衛生管理計画の作成を支援するほか、インハウスセミナー等で人材育成を行う。同時にISO22000、HSC22000等の認証取得支援を行うことも多い。HACCPの制度化で各社の品質管理への意識が高まっており、オープンセミナーも全国で開催されている。

本記事の続きは「健康産業新聞1690号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら

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