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特集【CBD(カンナビジオール)】サプリ、コスメで利用増! 品質、安全面での監視強化へ

昨年、健食業界で大きな話題を呼んだCBD。海外では市場が急成長しており、国内でもサプリメントや化粧品への配合が徐々に増え、Eコマース、オーガニック専門店、MLM、エステサロンなどで市場が広がっている。一方で、今年2月、国内の大手CBDブランドから規制成分であるTHCが検出されるなど製品の安全性を疑問視する声も。健食受託メーカーでは、取扱いを躊躇するケースも少なくない。厚労省は5月、CBD製品の輸入に関する新たな指針を発表。CBDメーカーは、厳格なトレーサビリティの担保が求められている。

■米国では規制緩和の動きが加速

CBDは、ヘンプ(麻)に含まれる104種類の生理活性物質「カンナビノイド類」の1 つ。食欲、免疫、感情抑制、運動機能、神経保護、認知などあらゆる身体機能と関係する身体のECS(エンドカンナビノイドシステム)を正常化させるとされ、国内外で数多くの研究が進展。オンライン学術データベース「MEDLINE」には、1,000報以上の論文が掲載されている。

2018年に米国で産業用ヘンプの栽培が合法化されたことを契機に、欧米市場でオーガニック専門店、MLMなどで流通が拡大。コカ・コーラやバドワイザーなど大手飲料メーカーで参入に向けた動きも見られる。

一方、食品としての安全性や摂取上限値、医薬品成分との相互作用等のデータが少ないため、昨年は、米国食品医薬品局( F D A )がCBDの食品利用にストップをかける一幕も。米国議会ではFDAへの規制緩和を求め、CBD食品利用に関連する法案提出が続いている。

米国栄養評議会(CRN)はCBD食品に明確なルールの制定を求めており、「CBDへの消費者の関心や売上、商品開発の動きが高まっており規制上のギャップに対処することを政府機関に繰り返し求めた。一部の安全でない製品や、違法な成分を含む製品を市場から排除し、消費者や責任ある事業者を保護する必要がある」と話す。米国では州ごとに法規制が異なり、CBD製品の流通には州ごとにばらつきがあるの現状だ。

■国内でも販売チャネルが拡大

欧米と比べて日本のCBD市場は、まだまだ黎明期にあるが徐々に製品数が増加している。オイル、カプセル、キャンディ、グミ、クリームなど様々なCBD製品が登場し、Eコマース、MLM、オーガニック専門店などで流通。CBD専門のカフェや飲食店の出店も見られる。

ヘルシートーキョーは今年2 月、原宿に「Healthy TOKYO CBDショップ&カフェ」をオープン。CBD入りのコーヒーやチーズケーキ、ガトーショコラなどを提供。若年層、特に美容意識の高い20代女性を中心に好評を集める。MLM大手のモリンダは今年2 月、西新宿の本社1階のタヒチアンノニカフェをリニューアル。「CBD+」シリーズをとして、CBD入りコーヒー、ビネガーソーダなどを提供する。

エステ業界では、たかの友梨ビューティクリニックが「CBDオイルトリートメント」を導入。施術後にオイルを購入する顧客も多いという。ネット通販や一部専門店だけでなく、エステやカフェでの販促が始まり、幅広いユーザーにCBD製品が受け入れられつつあるようだ。

■抽出部位、THCの残存に注意

CBDはヘンプの穂(花)、葉に多く含まれ、茎、種子、根にも微量存在するが、このうち日本の大麻取締法では、穂(花)、葉、根の使用が禁止されているため日本に輸入されるCBDには、成熟した茎と種子から抽出されたという証明が求められる。

またヘンプに含まれるカンナビノイドには、高揚感や多幸感を引きおこすテトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれる。THCは依存性が高く、多くの国で麻薬成分として規制されており、国内へ輸入する際は、HPLCやGC等厚労省指針の分析計測機器を用いて「検出不可(n/d)」の値を確認する必要がある。

海外では、抽出部位に限らずCBDの利用や、THCの利用が合法化されている国もあり、これらの国からCBD製品を輸入する際は、特に注意が必要とされる。CBD原料は、欧米メーカー製のシェア率が高いが、中国や東南アジアで製造される物あるようだ。原料相場はキロ当たり60~90万円ほど。依然として高額だが、日本向けの規格品の生産が拡大したことで昨年に比べて価格レートは下降傾向にある。またTHCのスクリーニングは、国内外の分析機関を利用されている。海外ではTHCを所持した上での定量分析が可能だが、国内では、THCを毒性研究、犯罪鑑定以外で所持することが認められていないため、定性での分析が実施されているのが現状だ。

■5月、厚労省が新たな指針を発表

国内のCBDブランドからTHCが検出された事例も発生している。厚生労働省は今年2 月、エリクシノールジャパンが取り扱う『ナチュラルドロップス3000』等3 製品から微量のTHCが検出されたことを発表。同品を摂取したことによる健康被害は報告されていないものの、エリクシノールは該当製品の回収、購入者への返金についてアナウンスした。

こうした中、厚労省・麻薬取締部では今年5 月、CBD製品の大麻非該当性の確認について…

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