ヒトとペットの距離が縮まり、犬や猫のQOL向上に費用を掛ける飼い主が増えている。ペットに掛ける費用は、毎月2万円近くなり、各社ペットの健康増進に向けた取り組みが活況だ。そのような中、ペットサプリの市場も伸びており、乳酸菌や冬虫夏草、グルコサミンなどの定番に加え、NMNや納豆菌、緑イ貝、藻類、LPSなどヒト向けの原料を新たにペット向けに利用が進んでいる。大手健康食品メーカーの新規参入も話題となり、食品関連の展示会ではペット向けに提案する企業も増えている。市場では、通販や獣医ルートに加えSNSを活用したプロモーションを行うなどペットサプリの市場拡大の可能性が広がっている。
富裕層による犬猫のケアコストは2万円弱
(一社)ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると、2024年新規飼育頭数は、犬44万4,000頭で前年比11%増となり猫は35万9,000頭と前年比3 %減と微増となった。同調査の「ペット飼育のきっけ」についての質問では、「生活に癒し・安らぎが欲しかった」との回答が4割を超えた。犬・猫飼育者の世帯年収層で最も多かったのが、2,000万円以上と、富裕層による飼育が顕著に見られる。㈱ハルメク・エイジマーケティングの「ペットに関する調査2025」では、犬猫に掛ける費用は、月平均1万7,985円。「お手入れや医療費・食」などに費用を掛けていると回答。犬猫をコンパニオンアニマルと呼び家族同然に扱い、費用を惜しまない飼い主も多い。
ペットのQOL向上や高齢化により、ペットサプリはより機能性の高い素材が利用されるようになっている。アイペット保険が2025年9月に公表した犬・猫の疾病ランキングでは、犬は皮膚疾患が最も多く、猫は下痢が最も多かった。人間と同じ生活空間で食生活することで、アトピー性皮膚炎や腸内環境悪化に悩む犬猫なども増えているという。ペットの高齢化においては、アイケア、関節・筋肉サポート、口臭対策向けサプリメントの需要が増えている。
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